展覧会

青木芳昭×丹羽優太 ー刻苦光明ー

会場
アカデミア・プラトニカ
会期
4/1(金)〜4/10(日)

「青木芳昭×丹羽優太 ー刻苦光明ー」DM画像茨城県那珂市にあるアカデミア・プラトニカでは、師弟関係にある二人のアーティストによる水墨作品展「青木芳昭×丹羽優太 ー刻苦光明ー」が開催される。

刻苦光明とは禅語の「刻苦光明必盛大也こっくこうみょうかならずせいだいなり」の一節にある言葉。「苦しい時こそ耐え忍ぶ」「耐え抜いた先に必ず光明が現れる」という意味で、京都の東福寺塔頭光明院住職の藤田慶水師が展覧会テーマに選んだものだ。
その光明院では今年12月2日〜18日に、アートディレクター金島隆弘による「刻苦光明(仮)」展(出展作家:青木芳昭、丹羽優太、こう資婷つてい、主催:藤田慶水)が企画されているが、その前段階として青木の主催するアカデミア・プラトニカで青木と丹羽の二人展をおこなうことになったのだ。
会場には、水墨画の草稿や下描きにいたるストーリーを映像化したもの、水墨画の制作に欠かすことができない筆墨硯紙といった素材道具の世界なども展示される。

青木は西洋画・日本画といった枠に留まらない超域制作を続けてきた。2000年以降、墨研究を中心とした制作を進め、製紙企業との共同研究から水墨用竹和紙を開発し、今展で発表する。

青木芳昭《鶏頭山水図》画像

青木芳昭《鶏頭山水図》 水墨画 50.0×55.0cm

青木 芳昭(美術家)
美術家(技法材料学)。1953年 茨城県那珂市に生まれる。1976年 パリ留学、ル・サロン名誉賞受賞。1983〜84年 パリ留学。1989年 安井賞展出品。1991年 東京セントラル美術館油絵大賞展出品。1996年 銀座資生堂ギャラリー個展。1997年 安井賞展出品、NHKハート展出品。2011年 「よくわかる今の絵画材料」出版(生活の友社)。京都技法材料研究会会長。2015〜18年 21世紀鷹峯フォーラムモデレーター。2015年 長谷川等伯筆2点の発見から修理に関わる。寺田倉庫PIGMENT(ピグモン)顧問。2016年 日本文化藝術財団 第8回「創造する伝統賞」受賞。
現在 京都芸術大学大学院教授 京都技法材料研究会・会長 アカデミア・プラトニカ代表 (株)呉竹顧問

一方、丹羽は、昨年8月から今展のため京都から那珂市にある青木の自宅近くにアトリエを移し、準備を重ねた。京都芸術大学大学院修了後は新進作家として活躍し、多くのアートフェスに招待出品とともに受賞歴がある。また、大学学部、大学院から現在まで青木の指導のもと、水墨を軸としながら陶芸・オブジェ・インスタレーションを発表している。

丹羽優太《鹿島神宮縁起》画像

丹羽優太《鹿島神宮縁起》水墨画 24.0×33.0cm

丹羽優太(美術家、京都芸術大学大学院修士課程修了・青木芳昭ゼミ)
1993年 神奈川県横浜市に生まれる。2015年 ジュネーヴ造形芸術大学交換留学。 画心展(佐藤美術館 同16〜18)。2017年 京都芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業。アートアワード丸の内2017 入選(新東京ビルヂング)。DEP/ART KYOTO(大丸京都店)。2018年 京都府新鋭選抜展 朝日新聞社賞(京都文化博物館)。クマ財団奨学生2期生。公益財団法人佐藤国際文化育英財団 奨学生。日本文化藝術財団 奨学生。2019年 京都芸術大学修了作品展 大学院賞(主席)。京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻ペインティング領域修了。KUAD ANNUAL2019 宇宙船地球号(東京都現代美術館)。KUMA EXHIBITION 2019(スパイラルガーデン/東京)。アートアワード丸の内2019 ゲスト審査員賞(新東京ビルヂング)。クマ財団奨学生3期生。北京に留学(コロナの影響で一時帰国中)。2020年 やんばるアートフェスティバル 山原知新(大宜味村立旧塩屋小学校/沖縄)。2021年 個展 なまずのこうみょう(東福寺塔頭光明院/京都)。個展 PAINT IT BLACK(ARTDYNE/東京)。MIDTOWN AWARD 2021 グランプリ(東京ミッドタウンアワード)。

また、アカデミア・プラトニカのギャラリースペースG1では、青木航太個展「兎一羽」が同時開催される。彼は近年、和紙や版画紙、消滅した藁ボール紙をコンポジション・コラージュし、その上に古墨で兎一羽を表出させている。東京藝術大学大学院で学んだフレスコ画のジョルナータ(一日分の制作を繋いでいく)を想起させ、東アジアに見られる架空の動物に倣い独自性ある表現を探求するものだ。展覧会について、作家本人は以下のように語っている。

「兎一羽」についてはウサギを「羽」と数える由来には諸説ある。 ウサギの日本語における助数詞は、かつて1羽、2羽と鳥と同様の「羽」を使用していた。 この由来には以下のような諸説がある。 獣肉食が禁止されていた時代、大きく長い耳の形状が鳥の羽を連想させることから「ウサギは獣ではなく鳥だ」と見なして食肉と していたとする説と「ウサギはウ(鵜)とサギ(鷺)に分けられるから鳥だ」とこじつけて食肉としていたとする説がある。 ウサギを「羽」と数える由来はわかることはないが、日本で戦前に描かれたウサギや鳥をよく見る。幼少期に田んぼに佇む鷺や、雑木林で見た兎の姿を思い出してみる。
(青木航太)

[information]
青木芳昭×丹羽優太 ー刻苦光明ー
会期 2022年4月1日(金)~ 4月10日(日)
会場 アカデミア・プラトニカ ギャラリースペースG3
住所 茨城県那珂市飯田2574-17
時間 11:00~17:00(最終日は16:00まで)
定休日 会期中無休
入場料 無料
交通 JR水郡線「上菅谷」駅よりタクシーで5分
URL http://www.platonica.org
※ギャラリースペースG1で青木航太個展「兎一羽」も同時開催

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