展覧会

特別展「華風到来 チャイニーズアートセレクション」

会場
大阪市立美術館
会期
4/16(土)〜6/5(日)

大阪市立美術館では、中国美術とその影響を受けた日本美術を紹介する、「華風到来 チャイニーズアートセレクション」と題した特別展が開催中だ。

『華風到来』入り口画像

展覧会場入口の様子

 

この美術館の館蔵品の特色は、ずばり「中国」。関西の経済界で活躍した阿部房次郎が収集した中国書画、山口謙四郎による中国の石造彫刻・工芸などを中心に国内屈指の中国美術コレクションを所蔵している。会場には島成園の《上海娘》といった日本近代絵画も並ぶなど、中国美術の影響を受けた「華風=中国風」の作品も鑑賞できる。

島成園《上海娘》画像 

島成園《上海娘》日本・1924年 大阪市立美術館蔵

 

ここでは2階に展示された書画のうち、春から新緑の季節に移ろうとしている今の時期にふさわしい作品を取り上げたい。
趙孟頫(款)の《子母図》は鮮やかな色彩の花々とともに鳥のつがいや雛たちが描かれ、生命力にあふれた緑が子孫繁栄につながる吉祥画となっている。筆致と色彩の塩梅が良い、美しい作品だ。

趙孟頫(款)《子母図》画像

趙孟頫(款)《子母図》(部分) 中国・清時代 大阪市立美術館蔵

趙孟頫(款)《子母図》画像

趙孟頫(款)《子母図》(部分) 中国・清時代 大阪市立美術館蔵

趙孟頫(款)《子母図》(部分)画像

趙孟頫(款)《子母図》(部分) 中国・清時代 大阪市立美術館蔵

 

花は絵画作品によく取り上げられるモチーフだが、その多くは、願いや文人の理想といった寓意を含んでいるのだという。また、モチーフに込められた意味は、名前の発音が別の吉祥的な言葉と通じることに由来したり、意味をその植物の様子から結びつけたりする場合もある。

こうした絵画作品と同じ空間で鑑賞できる工芸品もまた、華やかで繊細な作品が並ぶ。

《堆朱牡丹文盆》画像

《堆朱牡丹文盆》中国・明時代 大阪市立美術館蔵

《堆朱牡丹文盆》(部分)画像

《堆朱牡丹文盆》(部分) 中国・明時代 大阪市立美術館蔵

展覧会場の様子

展覧会場の様子

植物の生命力が勢いづくこの季節に鑑賞することで、より一層の感動を味わうことができるかもしれない。

会場の後半となる、1階の展示室では、力強い石造彫刻を見ることができる。

《如来三尊像》画像

《如来三尊像》北魏・500年 大阪市立美術館蔵

厳かな雰囲気に包まれているように思える空間だが、細部を観察すると、ここでもやはり繊細な作り手の仕事を見ることができた。画巻や吉祥画とも、何か共通するものを感じるのである。

それは作り手による、真摯な願いなのかもしれない。殊に、新型コロナウイルスの流行で緊迫した状況が続く中では、私たちの想いを代弁しているかのように思えてくる。作品から力を貰えるようだった。

《如来五尊像》画像

《如来五尊像》中国・606年 大阪市立美術館蔵

《菩薩立像頭部》画像

河南省龍門石窟賓陽中洞 将来《菩薩立像頭部》(部分) 北魏・6世紀前半 大阪市立美術館蔵

 

大阪市立美術館は今秋をもって約3年間の大規模な改修工事に入ってしまうという。この特別展には重要文化財を含む貴重な作品も多数展示されているが、「しばらくこのコレクションは見ていただけないので、ぜひこの機会に地元・大阪の方に見に来ていただきたい」と、同館の八田真理子学芸員は語った。

米芾《草書四帖》画像

米芾《草書四帖》(部分) 中国・11世紀末頃 大阪市立美術館蔵 ※5月15日まで

[information]
特別展「華風到来 チャイニーズアートセレクション」
・会期 2022年4月16日(土)~6月5日(日)※期間中一部展示替えあり
・会場 大阪市立美術館
・住所 大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
・電話 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター、受付時間8:00〜21:00)
・時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
・休館日 月曜日(5月2日は開館)
・観覧料 一般1,000円、高大生700円
・URL https://www.osaka-art-museum.jp/