コラム

日々是好日 −画家の書斎から−
第17回

      文=佐々木 豊

白黒を基調とした単純な画面構成の絵

小生のどの絵にも、ある一定のスペースの真白と真黒がある。両方合わせると、画面の半分を占める絵もある。これが小生の絵の特徴である。
この画面構成を小生は講談社の通信教育のテキストから学んだ。このテキストはアメリカのコネチカット州のウェストポートに本拠地で生まれ、小生は一度ならず訪れた。そこは数十人のアーティストが添削などの仕事に従事していた。小生も彼等に混じって議論したり、添削作業にたずさわった。

佐々木豊《まつり》画像

佐々木豊《まつり》油彩/キャンバス 227.3×343.9cm 2015年

イラストレーションやポスターなどは人目を惹きつける事をまず考えねばならない。それには「絵の中のデザイン性が重要である」という考えである。
団体展などでも、いろいろな絵が並んでいる。人目を惹きつける競争と言ってもよい。
他人の絵の群れから、抜け出して人目に飛び込んでこなくては負けである。それは、白と黒を基調とした絵の中のデザイン性が重要で、ポスターやイラストと同じである。言い替えると20代の頃から「国展」という団体展で他人の絵と張り合ってきた結果、どんなに雑多なものが描かれようと、白・黒を基調とする単純な構成の小生の絵のスタイルが定まってきたとも云えよう。

佐々木 豊
画家/1935年愛知県出身。1959年東京藝術大学油画科卒業、1961年同専攻科修了。受賞:1959年国画賞(1960年も)、1961年国画35周年賞、1992年第15回安田火災東郷青児美術館大賞、1993年・2001年両洋の眼展:河北倫明賞など多数。1980年東京藝術大学非常勤講師、1991年〜2006年明星大学教授。日本美術家連盟理事。技法書『泥棒美術学校』(芸術新聞社)は10版を重ねる。他に著書多数。