展覧会

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CAFÉモンタン展

会場
萬鉄五郎記念美術館
会期
開催中〜2/23(水・祝)

花巻出身の小瀬川了平が、1960年代に盛岡の大通り裏に開いた画廊スナック「CAFÉモンタン」。地元の若き美術家や詩人、さらに中央の美術評論家やジャズ評論家が定期的に集い、そこでは美術、音楽、文芸といった芸術文化の華々しいコミュニティが形成される。毎月新譜を聴かせる「ジャズ・レコードコンサート」などは、特に人気が高かったようだ。

オープン当時の「CAFÉモンタン」外観

オープン当時の「CAFÉモンタン」外観

「ジャズ・レコードコンサート」の様子

「ジャズ・レコードコンサート」の様子(向かって左が小瀬川了平)

「モンマス」(モンタンのマスター)と呼ばれた小瀬川は、その都会的な感覚で様々な新基軸を打ち出した。アートの分野では「モンタン賞」と銘打ち、新人美術家の発掘と支援を目的とするコンクールを立ち上げる。審査員は美術評論家の中原佑介。受賞者は銀座のサトウ画廊での個展が約束されるなど、時代を担う才能豊かなアーティストを発掘するという岩手から全国に向けた美術文化の発信基地となっていた。

「YOU形象展」(1962年)の様子

「YOU形象展」1962(昭和37)年

「CAFÉモンタン」の店内

「CAFÉモンタン」の店内

「CAFÉモンタン」の店内

「CAFÉモンタン」の店内

また、1962(昭和37)年には「モンタン・コンテンポラリーシリーズ」と題した、ユニークな展覧会も始まる。第1回の「モンタン・コンテンポラリーシリーズ」は「池田龍雄展-百面相」。第4回の「末松正樹展」や第5回の「馬場彬展」など、その多くが大きな話題を呼んだ。

池田龍雄《百仮面》

池田龍雄《百仮面》インク/紙 1962(昭和37)年

馬場彬《作品》

馬場彬《作品》ミクストメディア 1963(昭和38)年

柵山龍司《使者》

柵山龍司《使者》鉄、溶接 1967(昭和42)年

小瀬川はメニューにもアイデアを発揮し、盛岡でいち早くソフトクリームを販売したほか、トマトソースをベースにした「ア・ラ・モンタン」という辛くて熱いスープ・スパゲティを開発。その味は小瀬川のモンタン亡き今も、元スタッフが盛岡市内に開いた別の「モンタン」に受け継がれている。

盛岡のソウルフード「ア・ラ・モンタン」

盛岡のソウルフード「ア・ラ・モンタン」

今では忘れられ、語られることもなくなった小瀬川了平と彼の周囲の芸術家たち。「CAFÉモンタン展」では、その足跡をたどるとともに、モンタンに集った美術家や詩人、文化人たちについても紹介されている。

[information]
CAFÉモンタン展
・会期 2021年12月11日(土)〜2022年2月23日(水・祝)
・会場 萬鉄五郎記念美術館
・住所 岩手県花巻市東和町土沢5区135
・電話 0198-42-4402
・時間 8:30〜17:00(入館は16:30まで)
・休館日 月曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
・観覧料 一般400円、高校生・学生250円、小・中学生150円
・URL https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/yorozutetsugoro/1002101.html