展覧会

源平合戦から鎌倉へ 
―清盛・義経・頼朝

会場
太田記念美術館
会期
7/1(金)〜 7/24(日)

歌川国芳《牛若鞍馬修行図》画像

歌川国芳《牛若鞍馬修行図》

大河ドラマでも話題の平氏、そして源氏。
平安から鎌倉時代にかけての武士たちの栄枯盛衰を
色鮮やかな浮世絵でたどる展覧会。

ともに平安時代の皇族にそのルーツを持つ桓武平氏と清和源氏。貴族から武士へとなり、ついには武家による政権を打ち立てるまでになった彼らの姿は、今年に入ってNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』やTVアニメ『平家物語』でも描かれ、再び注目を集めている。

月岡芳年《大日本名将鑑 右大将源頼朝》画像

月岡芳年《大日本名将鑑 右大将源頼朝》

平安時代末期に起きた治承・寿永の乱(1180〜85)は俗に「源平合戦」とも呼ばれ、平氏と源頼朝を中心とした武士たちによる激しい戦いが繰り広げられた。そして頼朝が平家を滅ぼして鎌倉幕府を開いたのちも、頼朝の後継者や北条氏を中心とした有力御家人たちによる、権謀術数けんぼうじゅっすううずまく勢力争いの時代が続く。
武士たちによる一族の存亡をかけた戦いのエピソードは、古くから『平家物語』や『吾妻鏡』などの軍記物によって普及した。江戸時代には小説や歌舞伎などで親しまれ、浮世絵でも人気の題材となって数多くの作品が描かれている。
7月1日から東京の太田記念美術館で開催される「源平合戦から鎌倉へ —清盛・義経・頼朝」は、平清盛、源義経、源頼朝をはじめとする武士たちの栄枯盛衰を、浮世絵を通してたどる展覧会だ。

歌川芳虎《西海蜑女水底ニ入テ平家ノ一族ニ見》画像

歌川芳虎《西海蜑女水底ニ入テ平家ノ一族ニ見》

江戸の人々を魅了した、栄光と悲劇のエピソード

平清盛によって栄光の時代を築きながら没落の一途をたどり、最後は壇ノ浦に滅びた平家一門。天才的な軍略で平家を滅ぼしながら、兄頼朝に疎まれて非業の死を遂げた源義経。鎌倉幕府の草創を支えながら、勢力争いの中で滅ぼされていった御家人たち。動乱の時代を生きた彼らの生涯はしばしば華々しい成功と、隣合わせの悲劇に満ちたものだった。「判官贔屓ほうがんびいき」で知られる義経をはじめ、それらの劇的なエピソードは小説や歌舞伎、そして浮世絵に取り上げられ、江戸の人々の心を魅了したのである。

水野年方《寂光院》画像

水野年方《寂光院》

国芳・芳年・広重 浮世絵師が描くヒーローたち

武者絵の第一人者として活躍した歌川国芳は、源平時代の武士たちを数多く取り上げている。国芳はこの時代のさまざまなエピソードを親しみやすく、迫力たっぷりの筆致で描き出した。その流れは国芳門下の絵師たちに受け継がれ、中でも月岡芳年は、明治時代にかけて洗練された画風で源平の武者たちを描いている。他にも風景画で有名な歌川広重による、どこかのんびりとした武者絵や戯画など、浮世絵師たちによる個性豊かな競演を堪能してほしい。

歌川広重《童戯武者尽 源三位・熊谷》画像

歌川広重《童戯武者尽 源三位・熊谷》

 

[information]
源平合戦から鎌倉へ ―清盛・義経・頼朝
・会期 2022年7月1日(金)~ 7月24日(日)
・会場 太田記念美術館
・住所 東京都渋谷区神宮前1-10-10
・時間 10:30~17:30(入館は17:00まで)
・休館日 月曜日(7月18日は開館)、7月19日(火)
・入館料 一般800円、大高生600円、中学生以下無料
・TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
・URL http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/