展覧会

小松美羽展 
岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ

会場
川崎市岡本太郎美術館
会期
6/25(土)~ 8/28(日)

小松美羽《NEXT MANDALA—魂の故郷》 画像

小松美羽《NEXT MANDALA—魂の故郷》 2021年 個人蔵

小松美羽 vs 岡本太郎
息詰まる挑戦の行方を見守るのは、
会場を訪れるあなた自身だ。

日本、そしてアジアを中心とした海外でも注目を集めている現代アーティスト小松美羽。今年3月に羽田空港でおこなわれた保税アートオークションでは、漆芸の職人たちによるアート集団「彦十蒔絵」とのコラボ作品《麒麟》が1000万円で落札された。そんな彼女のこれまでの歩みを振り返る展覧会が、川崎市岡本太郎美術館で開催されている。

小松美羽ポートレイト

小松美羽

小松は1984年に長野県に生まれ、豊かな自然の中で生き物の生と死を間近に見てきた経験から、独自の死生観を形作ってきた。これにより、日本の神々の使いや神獣、人々の祈りといった 「見えない何か」からインスピレーションを得たモチーフを描くようになる。

小松美羽《生死》画像

小松美羽《生死》 2005年 作家蔵

「アートは魂を癒す薬である」と考える小松にとって、作品制作は祈りと共にあり、「神事」なのだ。

小松美羽《煩悩の渦》画像

小松美羽《煩悩の渦》 2011年 個人蔵

日本人の意識の底にある力強い生命力や美を見出し、作品にぶつけ続けた岡本太郎に、 小松美羽が国境や宗教を超えた世界観で挑むこの展覧会。約100点の絵画・立体作品が紹介される。異彩を放ち、エネルギー溢れる小松作品は、 私たち観る者の魂を揺り動かし、閉塞した現代社会を生きる力を与えてくれるだろう。

展覧会の見どころ

小松美羽《幸せに生まれ、幸せに栄える》画像

小松美羽《Pray for Prosperity 〜幸せに生まれ、幸せに栄える〜》 2016年 個人蔵

1. 真言宗総本山「東寺」への奉納画を奉納前に特別公開
真言宗立教開宗1200年を記念して、小松が東寺(教王護国寺)内の食堂に篭って制作した《ネクストマンダラ―大調和》が、この展覧会で特別に初披露される。真言宗最高法儀と言われる後七日御修法の際に用いられる両界曼荼羅図(元禄本)と同サイズの、約4m×約4mの二幅一対で描いたこの超大作は、儀式がおこなわれる灌頂院の空間構成を再現したもの。同作品は掛軸として表装後、2023年には東寺に奉納されることになる。

2. 出雲大社奉納画《新・風土記》を特別公開
2014年に小松が出雲大社へ奉納した《新・風土記》が特別公開される。通常、奉納作品が一般公開されることはないが、作家たっての希望により、今回特別に借用・公開が実現した。

小松美羽《新風土記》画像

小松美羽《新・風土記》 2014年 出雲大社蔵

3. 小松美羽の世界観を体感
展覧会場は岡本太郎《渾沌》(1962年)を中心に据え、「線描との出逢い」「色彩の獲得」「開かれた第三の目」「霊性とマンダラ」「未来形の神話たち」という5つのパートで構成される。まず小松美羽の初期から中期作品。次に東寺へ奉納する現代版の両界曼荼羅図を展示し、「聖なる空間」を表現するものだ。

小松美羽《神獣—エリア13》画像

小松美羽《神獣—エリア13》 2017年 個人蔵

最後に、小松美羽がこの展覧会のために描いた最新作が紹介される。 まさにアーティスト小松美羽の世界観に浸ることのできる展示空間と言えるだろう。ちなみに会場となる企画展示室は写真撮影が可能。展覧会の感動を記憶に残すだけでなく、写真として保存することもできるのだ(ただし、動画撮影、フラッシュ撮影、三脚・自撮り棒・ジンバル等の器材の使用は不可)。

小松美羽《ここが私のアナザースカイ 伊勢・出雲》画像

小松美羽《ここが私のアナザースカイ 伊勢・出雲》 2021年 作家蔵


小松 美羽 [Miwa Komatsu]

小松美羽ポートレイト

小松美羽

1984年長野県生まれ。
女子美術大学短期大学部卒業。現在、同大学特別招聘教授、東京藝術大学非常勤講師。
銅版画からスタートし、近年ではアクリル画、有田焼などに制作領域を拡大。
パフォーマンス性に秀でた力強い表現力で神獣をテーマとした作品を発表。
2014年に出雲大社へ《新・風土記》を奉納。
2015年大英博物館に作品収蔵(日本館に永久展示)。
2016年ワールドトレードセンター(ニューヨーク)に作品収蔵。
2019年第76回ヴェネチア国際映画祭VR部門に《INORI=祈祷》がノミネート。
2020年日本テレビ「24時間テレビ43」チャリTシャツのデザインを担当。
制作、個展、ライブペインティング等、国内外各地でおこない、作家として精力的に活動を続けている。
・公式サイト https://miwa-komatsu.jp
・Instagram https://www.instagram.com/miwakomatsu_official/
・Twitter https://twitter.com/komatsumiwa

[information]
小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ
会期 2022年6月25日(土)~ 8月28日(日)
会場 川崎市岡本太郎美術館 企画展示室
住所 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内
時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(7月18日を除く)、7月19日(火)、8月12日(金)
観覧料 一般1,000円、高・大学生・65歳以上800円、中学生以下無料
※日時指定事前予約制。下記のインターネットでご予約ください(年間パスポート、招待券、障がい者手帳をお持ちの方、中学生以下の方を含む)。
予約サイト https://ticketlog.net/event/20220625/
※来場希望日は2週間先まで選択可。予約受付期間外、または定員に達した日は選択できません。
※一度の予約で5名まで選択可。
TEL 044-900-9898
美術館公式サイト https://www.taromuseum.jp