展覧会

東海道の美 駿河への旅

会場
静岡市美術館
会期
2/11(土)〜3/26(日)

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原在正《富士山図巻》画像

原在正《富士山図巻》(部分)【前期】

 

静岡市美術館では、東海道をテーマにした展覧会「東海道の美 駿河への旅」が2月11日から開かれる。

1601(慶長6)年、徳川家康が東海道に設置した五十三の宿駅。江戸と京都を結ぶこの街道が参勤交代や物資輸送などで整備されると、庶民も旅に出るようになり、やがて東海道そのものを主題にした絵画が数多く描かれるようになった。
また、東海道は詩書画を好む駿河の文化人たちと、上方や江戸の絵師たちとの交友も可能にした。とりわけ江戸時代中期以降、京都の円山応挙一門や江戸の司馬江漢などによる新しい傾向の絵画は、東海道の中間で人や作品の往来が盛んだった駿河の人々に歓迎された。こうして、江戸と上方、双方の文化の影響を受けた多様な表現が、駿河で花開くこととなったのだ。
それらの文化とともに街道を往来した絵師たちや、「東海道が育んだ美術」に着目したこの展覧会では、屏風などをはじめとする「描かれた東海道」が多数展示される。

曽我蕭白《山水図》画像

曽我蕭白《山水図》 東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

 

この展覧会の見どころの一つが、『東海道図屏風(マッケンジー本)』だ。生き生きと描かれた人々の様子に目を凝らせば、朝鮮通信使や大名行列、様々な営みが見えてくる。
また、江戸中期に普及した出版物という新たな媒体によって広く親しまれるようになった、北斎と広重が描いた東海道にも注目したい。画面に収まりきらない壮大な富士山は、多くの人々の心を掴んだはずだ。
東海道ができたことで旅が普及した時代背景に思いを馳せることで、作品をより一層楽しむことができるだろう。

県指定文化財《東海道図屏風(マッケンジー本)》画像

県指定文化財《東海道図屏風(マッケンジー本)》(右隻) 静岡市

円山応瑞《花鳥図》画像

円山応瑞《花鳥図》

同時開催
Shizubi Project 8 世界は生きている 松藤孝一

 

同館では3月5日まで、ガラスを素材に、人間と自然環境の関係性を見つめてきた作家・松藤孝一による「世界は生きている」が開催されている。これは同館のエントランスホールで現代の様々な作品を紹介する「Shizubi Project」の第8回目となるものだ。
この展覧会では、松藤の代表作であるウランガラスによるインスタレーション『世界の終わりの始まり』や、希ガスを閉じ込めたガラス作品、さらに気泡ガラスをレンズに使った写真や静岡の波の音とガラスを組み合わせた新作も発表している。人間よりも遥かに長い歴史を持つ元素や自然と関り合いながら世界の深遠に迫り、自らの立脚地を探し求める作家の試みを会場で確かめてほしい。

会期:2023年1月17日(火)〜3月5日(日)
会場:静岡市美術館 エントランスホール
時間:10:00〜19:00
休館日:月曜日
観覧料:無料

[information]
東海道の美 駿河への旅
・会期 2023年2月11日(土)〜3月26日(日)
前期:2月11日(土)〜3月5日(日)/後期:3月7日(火)〜3月26日(日)
※会期中、一部展示替えあり
・会場 静岡市美術館
・住所 静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3階
・時間 10:00〜19:00 (入場は閉館の30分前まで)
・休館日 月曜日
・観覧料 一般1,300円、大高生・70歳以上900円、中学生以下無料
※障がい者手帳等をご持参の方および介助者原則1名は無料
※リピーター割引:2回目以降、美術館窓口にて本展の有料観覧券半券提示で当日券200円引き
・TEL 054-273-1515(代表)
・URL https://shizubi.jp