展覧会

まだまだざわつく日本美術

 

会場:サントリー美術館 会期:7/2(水)~8/24(日)

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作品から受けた心のざわめきに耳を傾けて
日本美術をより深く味わおう

東京・六本木のサントリー美術館では、7月2日から8月24日まで展覧会「まだまだ ざわつく日本美術」が開催される。
ある作品を見た時、「えっ?」「おっ!」「うわぁ...」と感じたことはないだろうか? こうした言葉にならない「心のざわめき」は、作品をよく見るための大切なきっかけとなるはずだ。この展覧会は2021年に同館で開催された展覧会「ざわつく日本美術」の第二弾。思わず「心がざわつく」ような展示方法や作品を通して、目や頭、心をほぐし、「作品を見たい!」という気持ちを高めていくものだ。
今回のテーマは「ぎゅうぎゅうする」「おりおりする」「らぶらぶする」「ぱたぱたする」「ちくちくする」「しゅうしゅうする」の六つ。まだまだ知られていないサントリー美術館のコレクションを通して、作品を「見る」という行為を意識してたのしみながら、日本美術のエッセンスを気軽に味わうことができる展覧会である。
作品との出会いによって沸き起こる、自分自身の「心のざわめき」に耳を傾けると、日本美術の魅力にぐっと近づけるような、意外な発見があるかもしれない

展示構成

第1章 ぎゅうぎゅうする
―あれもこれも!?「○○尽くし」デザインをひとつ残らず知り尽くす
この章では、日本で古くから親しまれてきた「尽くし文」や「ものづくし絵」に注目する。「尽くし文」とは、同じ意味や種類のモチーフを集めた文様のこと。その代表格である「宝尽くし文」を表した「色絵寿字宝尽文八角皿」の見込には、15種もの宝物がぎゅうぎゅう・・・・・・に詰まっている。あふれるほどの幸福への願いを込めたこの作品を鑑賞すると、どんな気分になれるだろうか?
「○○尽くし」デザインの世界観を拡張するべく、第1章では何が、どこに、どう表されているのかを、くどいほど説明し尽くした「キャプション尽くし」の展示が試みられる。ぎゅうぎゅうに配置されたキャプションを読みながら、作品をその細部に至るまで見尽くすことで、知的好奇心も満たされるはずだ。

色絵寿字宝尽文八角皿(画像)

色絵寿字宝尽文八角皿 鍋島藩窯 一枚 江戸時代 17世紀末〜18世紀初 サントリー美術館 【通期展示】


第2章 おりおりする

―実は自由自在!? 屛風を自分好みに折り曲げてみると…
表彰式や結婚披露宴などのお祝いの場で、金屛風がジグザグに折り曲げられている様子を見たことはないだろうか? こうした屛風は、空間を華やかに彩り、おめでたい雰囲気を演出する役割を担っている。そもそも屛風は、空間を区切るパーテーションとして、日常生活の中で使われてきたものだ。
この章では、そうした歴史的背景を踏まえ、空間の大きさや用途に応じて自由自在に折り曲げられてきた屛風が再現展示される。ジグザグに、しかも整然と折り曲げられた屛風を見慣れた目には少し異様に映るかもしれない。しかし、いつもとは変わった折り曲げられ方のおかげで、モチーフの遠近感が強調されて見えるといった新鮮な発見もあるのではないか。

孔雀図屛風 左隻(画像)

孔雀図屛風 左隻 雲谷等璠 八曲一双のうち 江戸時代 17〜18世紀 サントリー美術館 【通期展示(扇替あり)】


第3章 らぶらぶする

―いつの時代も心ざわめく!? 思い思われふりふられな複雑らぶ模様
昔も今も恋する心はざわめくもの。サントリー美術館の収蔵品の中でも、豊かな恋愛模様が繰り広げられている。
例えば、「鼠草子絵巻」には人間に恋する鼠が登場する。主人公の鼠の権頭ごんのかみは、清水寺の観音様のご加護によって人間の姫君と結婚したものの、正体がばれると姫君に逃げられてしまい、悲しみのあまり出家してしまうのだ。姫君の嫁入り道具を一つひとつ並べて和歌を詠み、さめざめと泣き暮れる権頭の様子は哀愁を誘う。
来場者はこの第3章で、人物相関図や場面解説を手掛かりにして、作品の主題となったり密かに暗示されたりしたさまざまな愛のかたちを鑑賞する。時に謎解きの面白さを味わいながら、複雑怪奇な恋愛模様をじっくり堪能してほしい。

鼠草子絵巻 第五巻(画像)

鼠草子絵巻 第五巻(部分) 五巻のうち 室町〜桃山時代 16世紀 サントリー美術館 【展示期間:7/30〜8/24】


第4章 ぱたぱたする

―二次元⇔三次元!? 展開させればハッとする立体作品の妙
立体的な美術品に表された図様を把握することは簡単ではない。作品をぐるっと一回りした上で、目に映ったイメージを頭の中で再構成する必要があるからだ。
この章で注目したいのは、まさしく立体作品の図様。例えば、「兎蒔絵茶箱」は、デフォルメされた計4羽の兎の姿が微笑ましい作品である。この作品を展開図にしてみると、まるでコマ撮りのアニメーションのように、兎がころころと飛び跳ねて見えるだろう。
漆工、やきもの、ガラスなどの立体作品が360度から見られるように展示された第4章。各作品とその展開図を比較できるような工夫も凝らされている。両者を比較して見ることは、図様のつながり方や装飾技法の細部を理解するだけでなく、作り手の工夫や意図を発見するヒントにもなるだろう。

兎蒔絵茶箱(画像)

兎蒔絵茶箱 一基 江戸時代 17世紀 サントリー美術館 【展示期間:7/30〜8/24】


第5章 ちくちくする

―手は口ほどにものを言う!? ひと針ひと針に表れた刺し手の気持ち
針と糸を使って手を動かすことで、自分の心が整っていく……。手芸好きな人であれば、誰しもそんな経験があるのではないか。この章で取り上げるのは、現在では手芸の一分野としても知られる「津軽こぎん刺し」だ。
津軽こぎん刺しとは、江戸時代後期以降、現在の青森県津軽地方の農村の女性が育んだ技法のこと。1mmにも満たない麻布の経糸たていとを奇数目に拾いながら、緯糸よこいとにそって木綿糸を刺しつづるという作業を一段ずつ繰り返すことで、織物のように美しい幾何学模様を表していく。こうした模様を構成するのは、「モドコ」と呼ばれる基礎的な単位模様。約40種あるともいわれるモドコには「てこな(蝶)」「べこ(牛)刺し」など、女性たちの身近にあった物の名前が付いている。
この第5章では、実際の作品に表されたモドコを観察したり、その模型に触れることで、モドコの名前や形に親しめるだろう。面白いことに、モドコにはしばしばアレンジや刺し間違えが見出せるのだ。小さなモドコの細部を見ていくと、刺すことの喜びやちょっとした苦しみなど、刺し手の気持ちに近づけるかもしれない。

東こぎん 着物(画像)

東こぎん 着物 一領 江戸〜明治時代 19世紀 サントリー美術館 【展示期間:7/2〜7/28】


第6章 しゅうしゅうする

―集めて分けて保管して!? コレクターたちの愛と執念
好きな物を集めて、それらを並べた様子を見ているだけで心が満たされるという気持ちは、時代を問わず、コレクターと呼ばれる人々に共通する喜びといえる。
例えば、18〜19世紀の絵師の作品15図を貼り込んだ「棲鸞園画帖せいらんえんがじょう」は、とある人物が10数年かけて集めたコレクションから粋を選んだものと伝わっている。大きな画帖を一枚一枚めくるたびに、収集への情熱や自負がうかがえるようだ。
サントリー美術館の収蔵品には、散逸せずに残ったコレクターの作品群が多数含まれる。収集にまつわる逸話や収納箱などをも通して、コレクターたちの愛と執念に迫る第6章。鑑賞後には思わず何かを集めたくなるとともに、今ここに作品が在ることの尊さを実感する機会となるのではないだろうか。

墨梅図(画像)

墨梅図 伊藤若冲 一図(棲鸞園画帖のうち) 江戸時代 18世紀 サントリー美術館 【展示期間:7/2〜7/28】

イベント情報

トーク「まだまだわいわいする!  ざわつく日本美術展のできるまで」
今までにない(サントリー美術館比)コレクション展である本展の企画から展示まで、担当者による裏話。
日時:7月6日(日)・20日(日)、8月17日(日)
いずれも11:00~、14:00~(各回約40分)
会場:6階ホール
定員:95名
参加無料(別途要入館料) ※申込不要・当日先着順

「みんなで楽しむ! サン美まるごとアートフェス 2025」
子どもから大人まで、誰もが楽しめるアートのお祭りを初開催!
開催日:8月10日(日)
詳細は、6月下旬にサントリー美術館ウェブサイト(下記)で案内

呈茶席(お抹茶と季節のお菓子)
日時:7月3日(木)・17日(木)・31日(木)、8月14日(木)・21日(木)
12:00、13:00、14:00、15:00にお点前を実施(お点前の時間以外は入室不可)
会場:6階茶室「玄鳥庵」
定員:各回12名/1日48名
呈茶券:1,400円(別途要入館料)
※13:00、14:00、15:00の呈茶券はサントリー美術館公式オンラインチケットにて前売券販売
※残席がある場合および12:00の回のみ、当日10:00よりサントリー美術館受付にて販売(先着順、1人2枚まで/混雑時は9:30以降に整理券配布)

いずれも、詳細はサントリー美術館ウェブサイト(下記)をご覧ください。

[information]
まだまだざわつく日本美術
・会期 7月2日(水)~8月24日(日)
・会場 サントリー美術館
・住所 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
・時間 10:00~18:00
※金曜日および8月9日(土)、10日(日)、23日(土)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
・休館日 火曜日(8月19日は18:00まで開館)
・入館料 当日券:一般1,700円、大学生1,200円、高校生1,000円
前売券:一般1,500円、大学生1,000円、高校生800円
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料
※前売券の販売は7月1日(火)まで/ただし、サントリー美術館受付での販売は6月15日(日)までの開館日のみ
・TEL 03-3479-8600
・URL https://www.suntory.co.jp/sma/