展覧会

ブランクーシ 本質をかたど

会場
アーティゾン美術館
会期
3/30(土)〜7/7(日)

コンスタンティン・ブランクーシ《接吻》1907-10年 石橋財団アーティゾン美術館

 

20世紀彫刻の先駆者ブランクーシ その唯一無二の創作の全容が明らかに

ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876〜1957)は、純粋なフォルムの探求を通して、ロダン以後の20世紀彫刻の領野を切り拓いた存在として知られる。本展は彫刻作品を中心に、フレスコ、テンペラなどの絵画作品やドローイング、写真作品など、彼の創作活動の全体を美術館で紹介する、日本で初めての機会。ブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館等から集った彫刻約20点に、絵画作品、写真作品を加えた約90点で構成される。

コンスタンティン・ブランクーシ《洗練された若い女性(ナンシー・キュナールの肖像)》
1928-32年(2013年鋳造) ブランクーシ・エステート

展覧会の見どころ

1 日本の美術館で開催される初のブランクーシ展
20世紀彫刻を代表する作家として知られているブランクーシ。しかしその彫刻作品を主体とする大規模な展覧会はこれまで日本の美術館で開催されてこなかった。本展が初の機会にあたる。

2 初期から後半期まで、約20点の彫刻作品が国内外より集結
アカデミックな写実性やロダンの影響をとどめた初期から、対象のフォルムをそのエッセンスへと還元させていく1910年代、そして『鳥』に代表される主題の抽象化が進められた1920年代以降の時期まで、彫刻家ブランクーシの歩みをうかがうことのできる充実した展示内容だ。

コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》1926年(1982年鋳造)
横浜美術館

3  創作者としての多面的な側面を提示
本展では、ブランクーシによる絵画作品や写真作品も紹介される。一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、異なる手法でそれを相対化していく横断的なアプローチは、近代的なものといえるだろう。一方で、彫刻作品に見られる素材への性質の鋭敏な意識は職人的といえるものですらある。本展では、こうした創作者としての多面性にも光が当てられる。

コンスタンティン・ブランクーシ《鳥》1930年 ブランクーシ・エステート

 

20世紀彫刻の新たな地平を切り拓いたブランクーシ。国内初の大規模展となる本展で、彼の創作活動の軌跡にぜひ触れてみてほしい。

 

コンスタンティン・ブランクーシ

ルーマニアのホビツァに生まれる。ブカレスト国立美術学校に学んだ後、1904年にパリに出て、ロダンのアトリエに助手として招き入れられるも、短期間で離れ、独自に創作に取り組み始める。同時期に発見されたアフリカ彫刻などの非西欧圏の芸術に通じる、野性的な造形を特徴とするとともに、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練されたフォルムを追求。同時代および後続世代の芸術家に多大な影響を及ぼしたことで知られる。

 

写真:《コンスタンティン・ブランクーシ》 1924年
(撮影:キャサリン・ドライヤー) 石橋財団アーティゾン美術館

[information]
ブランクーシ 本質をかたど
・会期 3月30日(土)〜7月7日(日)
・会場 アーティゾン美術館 6階展示室
・住所 東京都中央区京橋1-7-2
・時間 10:00〜18:00(5月3日を除く金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
・休館日 月曜日、4月30日(火)、5月7日(火)
※ただし4月29日(月)、5月6日(月)は開館
・入館料 ウェブ予約チケット1,800円、窓口販売チケット2,000円 大学生・専門学校生・高校生無料(日時指定予約制、要ウェブ予約)
※中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方と付き添い一名は無料、予約不要
※予約枠に空きがあれば美術館窓口でもチケット購入可能
※ウェブ予約チケットは各入館時間枠の終了10分前まで販売
※この料金で同時開催の展覧会を全て観覧可能(同時開催:石橋財団コレクション選 [5・4階 展示室]、特集コーナー展示 清水多嘉示 [4階 展示室])
・TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
・URL https://www.artizon.museum/exhibition/detail/572