展覧会

京都を歩こう #5

展覧会
〈星、せせらぎ、セミ時雨〉

会場:HRDファインアート
会期:6/10(土)~7/29(土)
カフェ
資珈琲

場所:京都府京都市北区小山下内河原町114
時間:夏季のみ6:00~15:00/通常7:00〜16:00

HRDファインアートは、京都・鞍馬口にある築約90年の町家を改装した現代美術ギャラリー。2015年にオープンして以来、日本と韓国を中心に若手・中堅作家を取り扱い、絵画、立体から写真、映像まで幅広く紹介している。
現在このギャラリーで開催中なのが、リュウ亦玲イリンと辻元美穂による二人展「星、 せせらぎ、セミ時雨」。
本展タイトルの「星、せせらぎ、セミ時雨」は、偶然にも劉と辻元の共通の愛読書であった池澤夏樹の小説『スティル・ライフ』の冒頭の文章から引用されたものだ。

劉亦玲《The Way I Love It (Life)》画像

劉亦玲《The Way I Love It (Life)》 鉛筆、墨、貝殻/ユポ紙 175.5×192.5cm 2022年

 

劉は1989年台湾・彰化生まれ。絵画をベースとしながら、不定形な支持体を用いたり、映像や立体作品と組み合わせたインスタレーションとして提示したりと、絵画の枠にとらわれない自由な制作を実践している作家だ。劉の作品に登場するマンガのキャラクターのような生き物たちは、作家自身の分身的な存在であると同時に、彼女を取り巻く様々な「生命」、さらにはその生命たちの織りなす関係性までもが投影された存在でもある。

辻元 美穂 《Nest of May》画像

辻元美穂 《Nest of May》 油彩、蜜蝋/綿布、ベニヤ板 42.0×26.5cm 2023年

 

一方、1994年大阪に生まれた辻元美穂は、油彩の抽象表現を中心とした絵画制作に取り組んでいる。自然や生命の躍動を感じさせる緑やオレンジ、黄色などの明るい色彩と、厚塗りの油絵具の物質性を生かした表現が持ち味だ。
近年は、矩形ではない不定形の支持体も取り入れている。その作品は、一見調和が取れているようでありながらも数多くの矛盾や混乱、偶然を孕み、単純化した整理や理解の届かない世界の「混沌(カオス)」そのものを表現しているようにも見えるのだ。

劉亦玲《春の末》画像

劉亦玲《春の末》 油彩、タンポポの種、紙粘土、アルミホイル 20.5×35.0cm 2023 年

辻元 美穂 《そらを渡っていく》 画像

辻元 美穂 《そらを渡っていく》 油彩、蜜蝋/綿布、ベニヤ板 108.0×117.0cm 2023年

 

本展は、作品制作を通じて自己と世界の関係性を見出そうと挑み続けている二人の作家による展覧会。出自や国、制作する作品も異なる二人の若手女性作家が、時代・世代の意識や感覚と真摯に向き合い、どのような表現を見せるのか注目してほしい。

リュウ亦玲イリン Yiling LIU
1989 彰化(台湾)生まれ
2011 国立台北芸術大学美術学部絵画専攻修了
2022~ 京都市立芸術大学大学院美術研究科油画専攻在学中
現在、京都在住
主な展覧会
2019 個展「愛似聖代」URBAN GALLERY(高雄)
2020 個展「あの人は今何してる──劉亦玲家での展示」作家自宅(台南)
2021 個展「借來的光」日晒設計印務所(台南)
2022 「アートフェアアジア福岡2022」ホテルオークラ福岡(福岡)
2023 「精神の風景 絵画旅行」なかお画廊(熊本)
・URL https://littleumi.weebly.com/

辻元美穂 Miho TSUJIMOTO
1994 大阪生まれ
2019 大阪教育大学大学院教育学研究科修了
現在、大阪在住
主な展覧会
2017 個展「今日、そこに生える」gallery sage(大阪)、「CASO 気鋭展」海岸通ギャラリー・CASO(大阪)
2018 個展「明るいほうへダイブする」MU 東心斎橋画廊(大阪)、「ザムザ2018 ~ 虫によせて」HRD ファインアート(京都)
2020 「ゲシュタルトの祈り」2kw gallery(大津)
2021 「小庭と空き地」アトリエ三月(大阪)
2022 「OSAKA LAUGH&ART」大阪市中央公会堂(大阪)
2023 「Currently art」芝田町画廊(大阪)
・URL https://www.instagram.com/m_tjmt_works/

──この展覧会に行ったら──
京都の街歩きにぴったりの、こだわりコーヒースタンド
たすく珈琲

賀茂川近くに店舗を構える資珈琲は、こだわりの詰まったコーヒースタンド。
オーストラリア・メルボルンで焙煎をした濃厚な果実感が特徴のコーヒー豆が、多い時には10種類ほど店頭に並ぶ。その中から来店者の好みに応じ、豆の個性を活かしたドリンクメニューを提案してくれる。

エスプレッソマシンは世界大会にも使用された事のあるイタリアの最高峰マシン「LA MARZOCCO LINEA PB 2」を独自カスタムして使用している。フルーツ感のあるエスプレッソにきめ細かなフォームミルクを合わせたフラットホワイトが特におすすめだと言う。

「ワクワクする日常を沢山つくりたい」という思いで、比叡山から朝日が顔を出す朝6時からオープンしている資珈琲。ドリンクを片手に賀茂川で涼む、京都の夏を楽しんでみてはいかがだろうか。


[information]
資珈琲
・住所 京都市北区小山下内河原町114
・時間 夏季のみ6:00~15:00/通常7:00〜16:00
・定休日 日曜日
・Instagram coffee_tasuku_coffee(https://www.instagram.com/coffee_tasuku_coffee/

[information]
星、せせらぎ、セミ時雨
・会期 2023年6月10日(土)~7月29日(土)
・会場 HRDファインアート
・住所 京都市上京区上御霊竪町494-1
・時間 木曜日 11:00~15:00/金・土曜日 11:00~19:00
・休廊 日~水曜日(事前のアポイントにより観覧可能)
・MAIL info@hrdfineart.com
・URL http://www.hrdfineart.com
【感染対策について】
※来場する場合、事前(当日)に検温をお願いします(会場で非接触式体温計による検温をお願いする場合もあります)。37.5℃以上の熱のある方や咳等の呼吸器症状のある方はご来場をお断りします。また、ギャラリー内では原則として不織布マスクまたは同等以上の感染防止性能を持つマスクの着用をお願いします。健康上の理由等によりマスクを着用することができない場合はお申し出ください。
※ギャラリー内の混雑を避けるため、来場人数の制限を設け、ギャラリーへの入場をお待ちいただく場合があります。
※新型コロナウイルスの感染拡大を見極め、状況に応じてギャラリーを臨時に休業、または事前アポイントによる完全予約制とさせていただく可能性もあります。こうした場合は、ギャラリーのウェブサイトやSNSを通じて、なるべく早い段階で告知を行います。