展覧会

池田亮司展

会場
弘前れんが倉庫美術館
会期
4/16(土)〜8/28(日)

アーティストであり作曲家の池田亮司(1966〜)は、フランス・パリと京都を拠点に国際的に活躍している。そんな彼の展覧会が、青森県の弘前れんが倉庫美術館で開催中だ。

池田亮司《data.tecture [nº1]》画像

池田亮司《data.tecture [nº1]》2018年 撮影:浅野豪 ©Ryoji Ikeda

 

池田はテクノロジーを駆使し、光や音を用いて鑑賞者の感覚を揺さぶる没入型の作品を数多く発表している。
2000年以降、データを主題とする表現を模索し続け、とりわけDNA情報や素粒子、宇宙といった科学領域に関するデータに関心を持ち、自身の作品に取り入れてきた。そこでは、データを通した世界のあらたな認識の方法が提示されている。

池田亮司《data-verse 3》画像

池田亮司《data-verse 3》2020年 撮影:浅野豪 ©︎Ryoji Ikeda

国内初展示となる《data-verse 3》は、NASAをはじめ多くの科学機関によって一般に公開されたデータを収集し、加工、変換など様々な操作を経た視覚的な表現として構成された高解像度の映像。展示室内に投影されることで、視覚と聴覚で体感できる作品となった。普段は不可視であるがゆえに意識されない膨大なデータの世界へと、人々を引き込む鑑賞体験を生み出すだろう。

 

約100年前に酒造工場として建造され、2020年には美術施設へと生まれ変わった弘前れんが倉庫美術館。その建築の中でも最も特徴的な高さ15mの吹き抜けの大空間に、プロジェクションをおこなうことも見どころの一つである。また、明治・大正期の趣が残る各展示室では、その特性を最大限に活かすように作品が展開される。映像や音響が重なり合うことで、建築空間と作品との共鳴をもたらすのだ。

池田亮司《data.flux [nº1]》画像

池田亮司《data.flux [nº1]》2020年 撮影:浅野豪 ©Ryoji Ikeda

 

今回の展覧会は、池田にとって2009年以来となる国内美術館での大規模な個展であり、新作を含む彼の近年の活動を展観するもの。併せて、池田によるこれまでの音楽作品の試聴や活動記録の閲覧もできるので、作家や作品の魅力により近づくことができるだろう。
実際に美術館を訪れることでしか味わうことができない「サイト・スペシフィック」な作品体験を、ぜひ楽しんでいただきたい。

[information]
池田亮司展
・会期 2022年4月16日(土)~ 8月28日(日)
・会場 弘前れんが倉庫美術館
・住所 青森県弘前市吉野町2-1
・時間 9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
・休館日 火曜日(ただし8月2日は開館)
・観覧料 一般1,300円、大学生・専門学校生1,000円
※高校生以下、弘前市内の留学生、満65歳以上の弘前市民、ひろさき多子家族応援パスポートを持参の方、障がいのある方とその付添者(1名)は無料。
・TEL 0172-32-8950
・URL https://www.hirosaki-moca.jp

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