展覧会

刻苦光明

会場
東福寺塔頭 光明院
会期
12/3日(土)~12/20(火)

 

刻苦光明タイトル画像
京都にある東福寺塔頭の光明院で、12月3日から12月20日まで「刻苦光明」と題した展覧会が開催される。京都芸術大学大学院教授を務める青木芳昭と、彼のゼミで学んだこう資婷つてい、丹羽優太という二人の新進作家による三人展。展覧会名の「刻苦光明」とは禅語の「刻苦光明必盛大也こっくこうみょうかならずせいだいなり」の一節にある言葉である。「苦しい時こそ耐え忍ぶ」「耐え抜いた先に必ず光明が現れる」という意味を持ち、光明院住職の藤田慶水師が展覧会テーマに選んだものだ。企画監修を担当したのは、アートディレクター金島隆弘である。

青木が出品するのは、水墨による利休屏風『鶏頭脳内行旅図』、襖絵『須弥山行旅図』と茶室の茶掛け、床間の掛け物など5点。10月下旬からの約1ヶ月間、毎日画面と対峙し、長い時には16時間にわたって筆を執り続けたという。展覧会に先立ってその作品を観た編集者、美術記者、大学教授などは「これまで見たことも、経験したことものない浮遊感を味わった」と高く評価したらしい。彼とその教え子たち三人の個性が会場で起こす化学反応を体感できるのが、今から楽しみである。

青木芳昭《屏風・鶏頭脳内行旅図》画像

青木芳昭《鶏頭脳内行旅図》(屏風)

関連イベント

12月3日(土)14:00〜16:00
高資婷による台湾呈茶会

12月7日(水)17:30〜25:00
丹羽優太による夜の波心庭

12月17日(土)13:00〜14:20
座談会 青木芳昭×光明院住職 藤田慶水(司会:丹羽優太)

12月17日(土)14:40〜16:00
座談会 青木芳昭×高資婷×丹羽優太(司会:金島隆弘)

青木芳昭《襖・須弥山行旅図》画像

青木芳昭《須弥山行旅図》(襖)

出展作家プロフィール

青木 芳昭(美術家)
美術家(技法材料学)。1953年 茨城県那珂市に生まれる。1976年 パリ留学、ル・サロン名誉賞受賞。1983~84年 パリ留学。1989年 安井賞展出品。1991年 東京セントラル美術館油絵大賞展出品。1996年 銀座資生堂ギャラリー個展。1997年 安井賞展出品、NHKハート展出品。2011年 「よくわかる今の絵画材料」出版(生活の友社)。京都技法材料研究会会長。2015~18年 21世紀鷹峯フォーラムモデレーター。2015年 長谷川等伯筆2点の発見から修理に関わる。寺田倉庫PIGMENT(ピグモン)顧問。2016年 日本文化藝術財団 第8回「創造する伝統賞」受賞。
現在 京都芸術大学大学院教授 京都技法材料研究会・会長 アカデミア・プラトニカ代表 (株)呉竹顧問

高資婷(美術家、京都芸術大学大学院修士課程修了・青木芳昭ゼミ)
1992年 台湾台北生まれ。公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第29期奨学生、公益財団法人日本文化藝術奨学金第24回奨学生。2019年 新竹藝術博覧会 ART HSINCHU(晴山藝術中心/台湾新竹)ほか展示多数。2019年 京都造形芸術大学大学院修了展大学院賞。2020年 Kyoto Art for Tomorrowー京都府新鋭選抜展ー毎日新聞社賞(京都文化博物館)、第29期奨学生美術展により作品買い上げ(佐藤美術館)。2021年 木下美術館により作品買い上げ(木下美術館/滋賀)。2022年 京都芸術大学大学院博士課程修了、Kyoto Art for Tomorrow -京都府新鋭選抜展- ゲーテインスティテュート・ヴィラ鴨川国際交流賞、高資婷 First Exhibition(梅軒画廊/京都)

丹羽優太(美術家、京都芸術大学大学院修士課程修了・青木芳昭ゼミ)
1993年 神奈川県横浜市に生まれる。2015年 ジュネーヴ造形芸術大学交換留学。 画心展(佐藤美術館 同16〜18)。2017年 京都芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業。アートアワード丸の内2017 入選(新東京ビルヂング)。DEP/ART KYOTO(大丸京都店)。2018年 京都府新鋭選抜展 朝日新聞社賞(京都文化博物館)。クマ財団奨学生2期生。公益財団法人佐藤国際文化育英財団 奨学生。日本文化藝術財団 奨学生。2019年 京都芸術大学修了作品展 大学院賞(主席)。京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻ペインティング領域修了。KUAD ANNUAL2019 宇宙船地球号(東京都現代美術館)。KUMA EXHIBITION 2019(スパイラルガーデン東京)。アートアワード丸の内2019 ゲスト審査員賞(新東京ビルヂング)。クマ財団奨学生3期生。北京に留学(コロナの影響で一時帰国中)。2020年 やんばるアートフェスティバル 山原知新(大宜味村立旧塩屋小学校沖縄)。2021年 個展 なまずのこうみょう(東福寺塔頭光明院京都)。個展 PAINT IT BLACK(ARTDYNE/東京)。MIDTOWN AWARD 2021 グランプリ(東京ミッドタウンアワード)。

光明院について

光明院は、室町初頭の1391(明徳2)年、東福寺の塔頭として金山明昶によって創建された。山門より入ってすぐにある、前庭の雲嶺庭には勝負の守護神「摩利支尊天」が鎮座する。「虹の苔寺」の異名をとり、苔と砂の見事な調和を見せる主庭「波心庭」は、昭和の作庭家・重森三玲の手になる枯山水庭園で、東福寺方丈庭園とともに1939(昭和14)年に造られた。方丈庭とは趣を異にする平安式の州浜型庭園である波心庭は、寺号の光明にちなみ、大海を表す白砂に浮かぶ三尊石組を基点に、立石が斜線状に並ぶ。その背後のサツキ、ツツジは大刈込としてダイナミックな雲紋を与えられ、さらに視線を上げれば茶亭「蘿月庵」の佇まいが目に入る。禅語「無雲生嶺上 有月落波心」(雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有リ)を由来とする蘿月庵は、1957(昭和32)年の建築。窓、壁、障子に月のモチーフを抱き、波心の庭から眺めることで東の空に昇る月を愉しむ仕掛けになっている。

[information]
刻苦光明
・会期 2022年12月3日(土)~ 12月20日(火)
・会場 東福寺塔頭 光明院
・住所 京都市東山区本町15-809
・時間 7:00〜17:00
・入場料 無料 ※光明院への入場に志納(500円)が必要
・TEL 075-561-7317
・URL https://komyoin.jp

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