レビュー

オリンピック後のパリで開催された日本美術展 
第9回 サロン・ド・アール・ジャポネ 2024

展覧会の様子
セーヌ川を挟んでエッフェル塔と向き合うトロカデロ広場があるパリの行政区、16区。2024年パリオリンピックでは、そのトロカデロ広場を舞台に競技や記念イベントが催され、世界から注目を集めたことが記憶に新しい。 オリンピック閉幕から1カ月半ほど経った頃、同区内のリンダ・ファレル・ギャルリーで「サロン・ド・アール・ジャポネ」の第9回展が開催された。

「サロン・ド・アール・ジャポネ」は現代の日本美術に特化した展覧会であり、9月25日から10月14日までの日程で3会期にわたって開催された第9回展には、観光でパリを訪れていたさまざまな国籍の、幅広い年齢層の人々が来場した。特に多くの来場者で賑わったのが、各会期初日の夜に催されたヴェルニサージュ(オープニングパーティー)。この展覧会のために日本から渡航した出展者も参加し、彼らから自作の解説を聞いたアートファンたちは、満足げな表情を見せていたという。
ギャラリー外観
第1会期 [9月25日〜30日]
バラエティーに富んだ展示作品が、リピーターから初めての来廊者まで、幅広い美術ファンを夢中にさせた第1会期。彼らは「毎週作品が変わり、大変興味深い」「素晴らしいテクニックを持つ画家が多く、驚いた」「それぞれの作品にそれぞれの物語がある」「日本人の生の作品を観て刺激を受けた」などの感想を寄せた。

第2会期 [10月2日〜7日]
この会期では、主に日本文化を象徴する書作品が展示された。現代的かつ前衛的な作品にも、日本の美学が感じられたと好評で、「実にエレガントな展覧会でした」「見慣れない日本の作家独自の表現が興味深かった」「通りすがりに来場したが、また行きたいと思う展覧会だった」という声が上がっていた。

第3会期 [10月9日〜14日]
色鮮やかな作品が多く展観された第3会期。多様なジャンルの作品で彩られた会場は、訪れた人々の心を和ませたのではなかろうか。「カラフルな作品が多く、最高!」「作品を観て、最も美しい季節の日本へ行ってみたいと思った」「久しぶりに日本の雰囲気を感じられて嬉しかった」という感想が聞こえてきた。

過去8回の開催同様に、今回もこの展覧会の総合監修を務めたフランス芸術家協会(ル・サロン)絵画部門代表のアラン・バザールは、次のような感想を残している。
油彩画やアクリル画の技術、精巧さはもちろん、質の高い写真やデジタル作品がいくつも展示されていたことが印象的です。それらの作品は、現在のアーティストが日本人としてのアイデンティティーを保ちつつ、無限の創造性を有していることを証明していました。

アラン・バザール氏肖像

総合監修を務めたアラン・バザール氏(フランス芸術家協会絵画部門代表)

 

3会期それぞれで最優秀賞が選ばれ、さらにそこからグランプリが決定されるこの展覧会。今回は以下の3点が受賞作となった。
百兵衛ONLINEでは、グランプリを受賞した高森登志夫のインタビューを掲載している。

【第1会期最優秀賞・グランプリ受賞作品】
高森 登志夫《風景 保田 春》
《風景 保田 春》画像
【第2会期最優秀賞受賞作品】

樋口 鼎乎《古事記冒頭文》
《古事記冒頭文》画像

【第3
会期最優秀賞受賞作品】
ミッシェル 愛美《Seductive Serenity
《Seductive Serenity》画像

今回も、現代の優れた日本美術を世界へ発信した「サロン・ド・アール・ジャポネ」。今年4月23日から5月12日にかけて、「第10回記念 サロン・ド・アール・ジャポネ 2025」が開催される。展覧会場のあるパリの住民からも大いに注目されている、リンダ・ファレル・ギャルリーの定番となったこの展覧会の期待度は、今後さらに高まっていくだろう。

オンラインギャラリー https://salon-de-lart.com

[information 今後の開催予定]
第10回記念 サロン・ド・アール・ジャポネ 2025
・会期 2025年4月23日(水)〜5月12日(月)
・会場 リンダ・ファレル・ギャルリー(フランス・パリ)
■URL https://www.reijinsha.com/exhibition/2020/03/26/salonlinda-2/