「第7回 サロン・ド・アール・ジャポネ 2023」が、パリのリンダ・ファレル・ギャルリーを舞台に、9月13日から10月2日までの日程で開催された。
会期後半はパリ・ファッションウィークと重なったこともあり、いつにも増して外出する人が多かったようだ。付近で開催されたファッションショーに出かけ、その後にギャラリーまで足を延ばす人もいたのだろう。今回も、日本美術を愛する多くのファンやコレクターが会場を訪れた。
日本から現地へ渡った出展者も多く、会期ごとに催されたヴェルニサージュで自作の解説をおこなう姿が印象的だった。例年以上に会話が弾み、非常に充実した時間を過ごしたようだ。
出展作家と直接交流し、作品や活動の話を聞くことができた来場者の満足げな姿も見られた。中には、年に2回開催されるこの展覧会を楽しみにしている美術ファンもおり、日本美術のショーケースとしての、本展への期待の高さがうかがえた。
また、本展の総合監修を務めたアラン・バザール氏(画家、世界最古の公募展「ル・サロン」絵画部門代表)は以下のようにコメントした。
自身もアーティストとして日本の作家の作品を長年鑑賞していますが、本展には冒険心を持ち、新旧の技術を駆使して新たな作品を創造している作家が非常に多いと感じました。使用している素材も興味深く、資料だけでは分からなかった独特な質感を会場で確認することができました。
アラン・バザール 芸術監督、美術評論家
作品を鑑賞した人からは、「日本からのアーティストたちと交流できて楽しい」「細部までこだわっている作品に感動した」「日本を訪れたくなった」といった声が届いた。
三つの会期それぞれで最優秀賞が選ばれ、さらにそこからグランプリが決定されるこの展覧会。今展の受賞作3点を以下に掲載する。
今後、グランプリ受賞作家である柿原康司のインタビューも掲載予定だ。特に注目度の高かった、グランプリ受賞作品に関する話などに注目していただきたい。
【第3会期最優秀賞・グランプリ受賞作品】
柿原康司 《彩》
【第1会期最優秀賞作品】
山田しおり 《Shapless line #2》
【第2会期最優秀賞作品】
羽賀文佳《空》
なお、来年2月28日から3月25日にかけて、「第8回 サロン・ド・アール・ジャポネ 2024」が開催される。年に2回、定期的に催されているこの展覧会は、今後も継続される予定だ。
日本の今のアートシーンを知ることができると、パリ16区界隈ではその認知度が高まりつつある「サロン・ド・アール・ジャポネ」。この展覧会を契機に、日本の多くのアーティストが活躍の場を広げている。次にどのようなアーティストがここから羽ばたいていくのか、期待が高まる。
■オンラインギャラリー https://salon-de-lart.com
[information 今後の開催予定]
■第8回 サロン・ド・アール・ジャポネ 2024(春)
・会期 2024年2月28日(水)〜3月25日(月)
・会場 リンダ・ファレル・ギャルリー(フランス・パリ)
■URL https://www.reijinsha.com/exhibition/2020/03/26/salonlinda-2/