展覧会

長坂真護展 Still A “BLACK” STAR
Supported by なんぼや

会場
上野の森美術館
会期
9/10(土)〜11/6(日)

地球というキャンバスに、
世界平和を描く。

《Let's Go Diversity》 画像

《Let's Go Diversity》 2020

先進国が投棄した廃棄物でアート作品を制作する美術家・長坂真護ながさかまご。上野の森美術館では、彼の個展が開催されている。

自ら経営する会社が2009年に倒産したことをきっかけに路上の絵描きとなった長坂。現在の作風へ大きく舵を切ったターニングポイントは、ゴミ山の前にぽつんとたたずむ子供の写真を、経済誌で見たことだった。
そのゴミ山は、日本をはじめとする先進国が廃棄した電子機器でできていたのだ。世界には、こうした“電子機器の墓場”と呼ばれる場所がいくつもあり、その多くが発展途上国に存在しているという。そのうちのひとつで、世界最大規模と言われているガーナのスラム街・アグボグブロシーを、長坂は2017年にはじめて訪れた。

アグボグブロシーで出会ったのは、先進国が捨てた電子機器を必死に燃やしながら、1日わずか500円の日当で生きる若者たち。大量のガスを吸い、癌などの病に蝕まれ、30代でこの世を去る人も多いという現実を目の当たりにした。

そこで長坂は、「我々の豊かな生活は、このスラム街の人々の犠牲のもとに成り立っている」という不条理な現状を、アートの力を使って先進国に伝えることを決意。その時、「ガーナ」シリーズの制作がスタートしたのだった。

《Ghana‘s son》画像

《Ghana‘s son》2018

《ミリーちゃん》画像

《ミリーちゃん》2021

 

帰国後は、現地から持ち帰った廃棄物で作品を制作し、その作品の売上の一部でこれまでに計1,000個以上のガスマスクを現地に届けてきた。

アグボグブロジー画像

アグボグブロシーにて

スラム街の廃棄物からアートを生み、その売上を現地の人々へと還元するという、「サステナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)」を提唱する長坂の創作活動。彼の目標は、2030年までに資金を集め、現地にリサイクル工場を建設、新たな産業と雇用を生み出し、最終的には“ゴミからアートが作れなくなる状態にする”ことだ。

本展は、長坂にとって初となる美術館での個展開催の機会。電子機器廃棄物を使用した作品のほか、世界平和への願いを込めたさまざまな作品を展覧する。美術家・長坂真護がアートで「サステナブル」な世界を目指す足跡にも、併せて注目していただきたい。

《We are same planet》 画像

《We are same planet》 2021

画像提供/©MAGO CREATION

長坂真護画像

長坂真護

長坂真護 Mago Nagasaka
1984年福井生まれ。

2017年6月、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。以降、廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金でこれまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、2018年にはスラム街初の私立学校を設立。
2019年8月アグボグブロシー5回目の訪問時に53日間滞在、スラム街初の文化施設を設立した。この軌跡をエミー賞受賞監督カーン・コンウィザーが追い、ドキュメンタリー映画“Still A Black Star”を製作。
2021年7月、アグボグブロシーの街が消滅したとの連絡を受け、抜本的な問題解決に向け、廃棄物処理のリサイクル工場建設を目指すほか、環境を汚染しない農業などの事業をスラム街の人々とともに展開すべく土地取得を目指す。日々精力的な制作活動を続けている。
作家公式ウェブサイト:
https://www.magogallery.online

[information]
長坂真護展 Still A “BLACK” STAR Supported by なんぼや
・会期  2022年9月10日(土)~11月6日(日)
・会場 上野の森美術館
・住所 東京都台東区上野公園1-2
・時間 10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
・休館日 会期中無休
・入館料 一般1,400円、高校・大学生・専門学校生1,000円、小・中学生600円
※未就学児は入場無料
※学生券で入場の場合は、学生証を提示(小学生は不要)
※障がい者手帳を提示で本人と付添い1名まで入館無料
・TEL 050-5541-8600(9:00~20:00/ハローダイヤル)
・URL https://www.mago-exhibit.jp