展覧会

山王美術館コレクションでつづる 
印象派展

会場:山王美術館 会期:3月1日(金)~7月29日(月)

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2024年8月に開館15周年を迎える山王美術館。それを記念する展覧会「山王美術館コレクションでつづる 印象派展」が開催される。この展覧会では、モネ、ルノワール、ドガ、シスレーなど印象派の画家を中心に、コロー、ミレー、クールベなど印象派に影響を与えた画家たちや、ポスト印象派のルドン、ゴーガンによる珠玉のコレクションを堪能することができる。

アルフレッド・シスレー《サン=マメスのマロニエの木》1880年 山王美術館蔵

みどころ

1 印象派を中心に「フランス絵画の革新者たち」による絵画で構成
19世紀後半、フランス絵画は大きな変革を迎えた。古典的な規範に基づくアカデミズム絵画とは一線を画す新たな絵画が生まれたのだ。その代表が、印象派の先駆者ともいえるバルビゾン派のコロー、ミレー、レアリスムのクールベ。印象派の中心的存在として活躍したシスレー、モネ、ルノワール、ドガ、印象派以後の絵画の潮流を形成したルドン、ゴーガン。この展覧会では、フランス絵画の革新者である彼らの作品約30点が展示される。
2 新コレクション10点を初展示
山王美術館の新コレクションであるミレー、クールベ、シスレー、ドガ、ゴーガン、ルドンの作品全10点が初公開される。その中でもゴーガンの『カイユ工場とグルネル河岸』は、画家として専心する以前の作風を知ることができる特に希少なものだ。

ポール・ゴーガン《カイユ工場とグルネル河岸》1875年 山王美術館蔵

3 「ここでしか会えない芸術作品」に会える
山王美術館はオープン以来、コレクションのみによる展覧会を開催してきた。本展覧会で展示される作品もまた、全てが「ここでしか会えない芸術作品」だ。この貴重な機会に、山王美術館コレクションの新たな魅力に触れてみよう。

第1章 印象派の先駆者たち

19世紀のフランスは、政治・経済において市民階級が台頭するなど、大きな変化が起こった時代だった。このような時代背景もあって、クールベに代表されるレアリスム、コローやミレーに代表されるバルビゾン派など、既存の美術制度や古典的な絵画の価値観を越えた新しい絵画のあり方を模索する画家たちが登場する。クールベは、農民や労働者階級を主題とした大型画面による作品を発表。「レアリスム宣言」を掲げ、自身の芸術と思想を世に問うた。一方、コローやミレーらバルビゾン派の画家たちは、戸外でのスケッチや徹底した自然観察という作画姿勢により、風景画そのものを変革させていった。彼らにより印象派への道が開かれ、さらなる絵画の革新が推進されることになったのだ。

ギュスターヴ・クールベ《オルナン地方の滝》1866年頃 山王美術館蔵

第2章 印象派の画家たち

旧来のサロンの審査制度に限界を感じたモネ、ルノワール、シスレー、ドガらは、1874年4月15日、最初のグループ展を開催した。同時代の人々の風俗を主題に、「筆触分割」という技法を用いた新たな絵画表現の作品を発表したのだ。斬新な絵画は多くの人々から酷評され、出品作の一つであったモネの『印象、日の出』からこのグループは「印象派」、後にこの展覧会は「第1回印象派展」と呼ばれるようになる。筆触を残した技法は当時「未完成」「下描き」とみなされたが、印象派の画家たちによって西洋絵画における主題や技法上の革新がなされ、後に高く評価されるようになった。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《読書(赤とローズのブラウスを着た二人の女性)》1918年 山王美術館蔵

 

第3章 印象派をこえて

いわゆる「印象派展」は、1874年から1886年にかけて計8回開催された。グループ内の対立、中心的存在だったルノワールやモネの離反などを経て、最後となった第8回展には、スーラ、シニャック、ルドン、ゴーガンらが出品。スーラやシニャックは印象派の技法を科学的に徹底し、点描技法へと発展させた。ゴーガンは印象主義への批判的姿勢から、モチーフを単純化し、二次元性を強調した平坦で鮮やかな色面による総合主義の絵画を提唱した。また、ルドンは幻想性や神秘性に題材を求めた独自の世界を展開し、象徴主義へと至る。ポスト印象派と称される彼らの絵画表現の探求から、フォーヴィスム、キュビスム、エコール・ド・パリなど、20世紀以降の実り豊かなフランス絵画の展開に繋がっていくことになる。

オディロン・ルドン《アポロンの二輪車と大蛇》1905年 山王美術館蔵

 

[information]
開館15周年記念展 山王美術館コレクションでつづる 印象派展
・会期 3月1日(金)〜7月29日(月)
・会場 山王美術館
・住所 大阪市中央区城見2-2-27
・時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
・休館日 火曜日、水曜日
※ただし3月20日(水・祝)は開館
・入館料 一般1,300円、大学生・高校生800円、中学生以下500円(保護者同伴に限り2名まで無料)
※学生証の提示が必要
・TEL 06-6942-1117
・URL https://www.hotelmonterey.co.jp/sannomuseum/