展覧会

没後40年 黒田辰秋展
―山本爲三郎コレクションより

会場:アサヒビール大山崎山荘美術館 会期:1/21(土)〜5/7(日)

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黒田辰秋《貝象嵌色字筥》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

黒田辰秋《貝象嵌色字筥》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

木と漆
青き日々の情熱

刳物くりもの指物さしものなどの木工と、乾漆、螺鈿などの漆芸を駆使した作品で知られる黒田辰秋(1904〜1982年)。京都の塗師屋ぬしやに生まれた彼は、木漆工芸の制作過程における分業制に疑問を抱き、一人で素地から塗りや加飾、仕上げまでをおこなう一貫制作を志した。柳宗悦や河井寬次郎の知遇を得たことで民藝運動と関わり、1927年に「上加茂民藝協団」を結成して、志を同じくする青年らと共同生活を送りながら制作に邁進。協団解散後は本格的に木漆工芸作家として歩み、精力的な活動のすえ、1970年には木工芸分野で初となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定された。

黒田辰秋《黒漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

黒田辰秋《黒漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

黒田は1928年、御大礼記念国産振興東京博覧会に出品されたパビリオン「民藝館」で、初期の代表作であるけやき拭漆ふきうるしのテーブルセットをはじめ、多くの家具什器を手がけた。民藝運動の支援者であったアサヒビール初代社長山本爲三郎ためさぶろうは民藝館の建物と什器を買い取り、博覧会終了後に大阪・三国の自邸に移築。その後、この建物は「三國荘」と呼ばれるようになった。

黒田辰秋《欅拭漆食卓》《欅拭漆肘掛椅子》《欅拭漆椅子》1928年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

黒田辰秋《欅拭漆食卓》《欅拭漆肘掛椅子》《欅拭漆椅子》1928年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

山本家から寄贈された三國荘ゆかりの山本爲三郎コレクションは、アサヒビール大山崎山荘美術館開館以来、所蔵品の軸となっている。
この展覧会では、山本爲三郎コレクションを中心に同館所蔵の黒田作品を一挙に公開。制作のゆるぎない基礎を確立した20代前半の時期に焦点を当て、黎明期からその後の展開にも触れつつ、名匠黒田辰秋の創作の原点に迫る。

また、建築家・安藤忠雄が設計した地中館「地中の宝石箱」では、クロード・モネ《睡蓮》の連作が常設展示されているので、併せて鑑賞していただきたい。

黒田辰秋《朱漆振出し》1932年頃
アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

関連イベント

■講演会
「漆工文化財の保存修理について -アサヒビール大山崎山荘美術館所蔵作品の修理を終えて」
日時:4月16日(日)14:00〜15:30
会場:大山崎ふるさとセンター
対象:中学生以上
定員:約50名、要申込
参加費:無料
登壇者:室瀬智弥氏、鷺野谷一平氏(目白漆芸文化財研究所)
申込締切:先着順、はがきの場合4月4日(火)必着
申込方法:返信可能なFAXまたは往復はがき
※詳細はアサヒビール大山崎山荘美術館ウェブサイトをご確認ください

■カフェ企画
特製スイーツ
リーガロイヤルホテル京都が考案した特製オリジナルスイーツを提供
提供期間:展覧会会期中
料金:ケーキ単品 各700円、ケーキ・ドリンクセット 各1200円 (コーヒー/紅茶いずれかとセット)
※税込、美術館入館料は別途必要

[information]
没後40年 黒田辰秋展―山本爲三郎コレクションより
・会期 1月21日(土)~5月7日(日)
・会場 アサヒビール大山崎山荘美術館
・住所 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
・時間 10:00~17:00(最終入館は16:30まで)
・休館日 月曜(ただし、3月20日、3月27日、4月3日、5月1日は開館)
・入館料 一般900円、高・大学生500円、中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方300円
・TEL 075-957-3123(総合案内)
・URL https://www.asahibeer-oyamazaki.com