展覧会

東京国立博物館創立150年記念
特別展 「国宝 東京国立博物館のすべて」

会場
東京国立博物館
会期
10/18(火)〜12/11(日)

東京国立博物館(東博)は今年、創立150年を迎えた。それを記念し、特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」 が開催される。

重要文化財《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》東洲斎写楽筆
江戸時代・寛政6(1794)年 東京国立博物館蔵
展示期間:10月18日~11月13日

国宝《松林図屛風》(右隻)長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
展示期間:10月18日~10月30日

1872(明治5)年3月10日、湯島聖堂大成殿を会場に文部省博物局による湯島聖堂博覧会が開かれた。この博覧会では、絵画・書跡・工芸品に剥製や骨格見本、楽器など600件余りが網羅的に展示されたという。それらの陳列品がガラスケースの中に並ぶ様子は、当時の観覧者に新鮮な印象を与えたことだろう。
この博覧会の開催は、日本で初めて博物館が創設された時でもあったのだ。

古今珎物集覧画像

《古今珎物集覧》一曜斎国輝筆 明治5(1872)年 東京国立博物館蔵

 

発足以来、日本でもっとも長い歴史をもつ博物館として親しまれてきた東博。150年の歴史の中で蒐集されたのはなんと約12万件にのぼる。その中から国宝89件すべてを含む名品を紹介する本展では、発足からの歩みを物語る関連資料を通して、東博の全貌を紹介する。

この展覧会の見どころ

史上初、所蔵する国宝89件すべてを公開
国宝89件すべてを展示(会期中展示替えあり)するのは、150年の歴史上はじめて。メモリアルイヤーにふさわしい、奇跡的な展覧会が実現する。

《洛中洛外図屛風(舟木本)》画像

国宝《洛中洛外図屛風(舟木本)》(右隻)岩佐又兵衛筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
展示期間:11月15日~12月11日

《洛中洛外図屛風(舟木本)》画像

国宝《洛中洛外図屛風(舟木本)》(左隻)岩佐又兵衛筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
展示期間:11月15日~12月11日

国宝《孔雀明王像》
平安時代・12世紀 東京国立博物館蔵
展示期間:10月18日~11月13日

 

国宝刀剣が集結
東博に「国宝刀剣の間」が出現

東博が所蔵する国宝の刀剣は全19件。日本の博物館の中で最多だ。
それらが一つの展示室に集結する「国宝刀剣の間」は、刃文や地鉄じがねの美をじっくり鑑賞できるようデザインされた空間だ。この機会に、日本刀の魅力に没入していただきたい。

国宝 太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)画像

国宝《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》
平安時代・10~12世紀 東京国立博物館 渡邊誠一郎氏寄贈

 

明治から令和まで、東博150年の歩みを追体験
150年の歴史を3つの時代に分け、各時代の収蔵品や関連資料などを展示する本展。
湯島聖堂博覧会や、前身の帝室博物館時代の展示品による再現展示では、キリンの剥製標本も展示される。実はこのキリン、1907(明治40)年に日本にはじめて生きた状態でやってきた「ファンジ」というキリンだ。上野動物園で人気を集めた剥製標本から、当時の人々の驚きや感動を味わおう。

キリン剝製標本展示の様子画像

キリン剝製標本展示の様子

 

国宝を一挙に紹介する第1部と、150年の歩みを展望できる第2部で構成されるこの展覧会は、 はじめて来館する人はもちろん、リピーターも東博再発見の機会として存分に楽しむことができるだろう。この記念すべき年にぜひ、日本最古の博物館に足を運ぼう。

東京国立博物館創立150年記念事業
「150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物」

今年創立150周年を迎えた東博は、先に紹介した特別展以外にも「国宝」にまつわる周年事業がおこなわれる。そのうちの一つが「150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物」だ。

これは150年後の西暦2172年に伝えたい国宝候補を、その背景と共に展示するというもの。ここでは一般部門と企業部門から厳選された国宝候補を眺めることができる。

9月20日まで募集されていた一般部門は、選考委員によって審査され展示される予定。心温まるもの、思わず笑みを浮かべてしまうもの、昔懐かしいものなど、様々な想いが込められた国宝候補が集結しそうだ。
一方、企業部門で展示が決定した国宝候補には、『キッコーマンしょうゆ』(キッコーマン株式会社)や『ポテトチップス のり塩』(株式会社湖池屋)など、誰もがよく知る食料品から、KDDI株式会社の携帯電話や日本電設工業株式会社の鉄道電気技術など、現代までに成長を遂げた多彩な日本の技術や商品が並ぶ。

どのような国宝候補が、どのように展示されるのか、全貌が想像できないこの展覧会をぜひ会場で鑑賞していただきたい。

「150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物」
・会期 2022年11月2日(水)〜2023年1月29日(日)
・会場 東京国立博物館 表慶館
・住所 東京都台東区上野公園13-9
・時間 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
・休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日休館、ただし2023年1月3日[火]は開館)
      2022年12月26日(月)〜2023年1月1日(日)
・料金 同館総合文化展観覧券(一般1,000円、大学生500円)、または同館で開催中の特別展観覧券(一般2,000円、大学生1,200円、高校生900円)で観覧可能 ※当日に限る

[information]
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
・会期 10月18日(火)〜12月11日(日)※会期中一部展示替えあり
・会場 東京国立博物館 平成館
・住所 東京都台東区上野公園13-9
・時間 9:30〜17:00 ※金・土曜日は20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
・休館日 月曜日
・観覧料 一般2,000円、大学生1,200円、高校生900円
※中学生以下は無料。ただし事前予約が必要です。入館の際に学生証をご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。事前予約は不要です。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
※本展は事前予約制(日時指定)です。東京国立博物館正門チケット売り場での販売はございません。詳細はチケット情報を参照。
・TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
・URL https://tohaku150th.jp