展覧会

体感型古代エジプト展 
ツタンカーメンの青春

会場
角川武蔵野ミュージアム
会期
7/1(土)~11/20(月)

展覧会キービジュアル 

展覧会キービジュアル ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

埼玉県にある「ところざわサクラタウン」内の「角川武蔵野ミュージアム」1階のグランドギャラリーで、11月20日(月)まで「体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春」という展覧会が開催されている。これは、「超複製品(スーパーレプリカ)」の展示と「本物」をスキャニングした高精細デジタルデータによる映像没入体験で、古代エジプト文明とツタンカーメンの素顔に迫ろうという、かつてない企画だ。

入口風景

入口風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

■ツタンカーメンの新しい100年が始まる

昨年2022年は、考古学者のハワード・カーターが1922年にツタンカーメンの王墓を発見してから100年という記念の年だった。ピラミッドと古代エジプト文明は今も様々な研究、発掘がされ、新しい発見も相次いでいる。この「体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春」は、世界で最も有名な王の一人であるツタンカーメンに迫るものだ。

序章展示風景

序章展示風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

展覧会のコンセプトは「HISTORYはSTORYだ!」。歴史(HISTORY)の中には物語(STORY)があるという考えに基づき、3000余年前の歴史上の人物として捉えがちなツタンカーメンを、生身の人間として捉え、その時代にどう生きて何を思ったかを豊かに想像できる展示空間が作られた。

ツタンカーメンは、父・アクエンアテンの後をわずか8~9歳で継ぎ、19歳で亡くなったとされる人物。彼が王・ファラオとして君臨した期間は、人生の中で青春と呼ばれる期間と重なる。青春時代を王として過ごした若きファラオの短い生涯は、一体どのようなものだったのだろうか。

第1章展示風景

第1章展示風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

その時代を生きた生身の人間であることを根底に置き、少年王の生き様と物語を、精緻な複製品の数々と最新デジタル技術の融合によって追体験するこの展覧会。これまでの100年でおこなわれてきた美術展示とは一線を画す101年目のツタンカーメン展は、彼の新しい100年の1歩目として、歴史とテクノロジーを融合させた体感型の展覧会となるはずだ。

第2章展示風景

第2章展示風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

■最新テクノロジーにより最古の文明のストーリーを体感

この展覧会では、実際の発掘品、美術品は登場しない。展示されるのは、世界に3セットしかない「超複製品(スーパーレプリカ)」。有名な黄金のマスクや玉座のほか、ツタンカーメンの王墓に収められていた副葬品のうち約130点を精巧に再現したものである。レプリカならではの展示方法でによって、様々な秘宝を目の前で見ることができるのだ。

さらに、古代エジプトを“体感”する展示もおこなわれる。会場内の大空間では、壁と床にプロジェクションマッピングを投影。古代エジプトの創生から神々の変遷をたどるとともに、ツタンカーメンの生涯を目で、耳で、身体で感じるデジタルコンテンツとなっている。また、エジプトから門外不出となったツタンカーメンのマスクや厨子といった副葬品の数々を、「ワールド・スキャン・プロジェクト」の最新技術による高精細3Dスキャンデータから本展覧会のために映像コンテンツ化し、超大型スクリーンにデジタル展示。来場者がその展示物をNFTアートとして持ち帰ることができるのも、大きな話題となっている。

第3章展示風景

第3章展示風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

その他にも、1922年にハワード・カーターとそのパトロンであったカーナヴォン卿が体験した“世紀の発見”を来場者が追体験できるインタラクティブな空間展示や、王墓の再現、若きファラオの生活を想像し体験できる「ツタンカーメンの日常」、一神教と多神教の間を揺れ動いた古代エジプトの神々の展示、古代エジプトの死生観やミイラを解説するエリア、象形文字「ヒエログリフ」の読み方解説など、展覧会の内容は多彩で誰もが楽しめるだろう。

第4章展示風景

第4章展示風 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

■制作陣は、まさにドリームチーム

まったく新しい視点から古代エジプト文明を体験できるこの展覧会のために、今回、制作スタッフとして各界のエキスパートが集結した。

監修は、エジプト考古学者で名古屋大学高等研究院准教授の河江かわえ肖剰ゆきのり氏。米国古代エジプト調査協会のメンバーにして米国ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーにも選出されている。エジプト・ピラミッドの調査研究を専門とし、TBS「世界ふしぎ発見!」やNHKスペシャルなど多数のテレビ番組にも出演、エジプト文明についての知見を世の中に広めている気鋭の研究者である。

空間設計デザインは、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0ゼロ」で日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞した美術監督の上條じょうじょう安里あんり氏が担当。ツタンカーメンが生きた古代エジプトを体感できる空間を生み出している。

音楽監督は、「機動警察パトレイバー」や「攻殻機動隊」の劇場版楽曲を作曲した川井憲次かわいけんじ氏。この展覧会に合わせて作曲されたオリジナル楽曲「ツタンカーメンのテーマ」が、イマーシブ映像や会場各所を盛り上げる。

中央展示風景

中央展示風景 ©WORLD SCAN PROJECT Inc. ©角川武蔵野ミュージアム

連動企画

神秘のミステリー!文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書
「ツタンカーメンの青春」展に合わせて、角川武蔵野ミュージアム4階エディットアンドアートギャラリーでは「神秘のミステリー!文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書」展が11月20日(月)まで開催されている。「ツタンカーメンの青春」展と同じくエジプト考古学者の河江肖剰氏が監修する、ナツメ社より刊行された同タイトルの書籍の内容をもとに構成された展覧会で、古代エジプトの歴史だけではなく、ファラオや神々、ピラミッド、当時の生活などを多角的な視点から紹介するもの。
会場内では、展示品を見ながら学んで楽しめるクイズラリーが実施されるほか、古代エジプトの護符やエジプト学の始まりともいわれるナポレオンによる『エジプト誌』などの貴重な資料も展示される。発掘品や先人たちの研究をもとにした分かりやすい解説と誰もが楽しめる体験型の、古代エジプト文明の謎に迫る展覧会。子どもたちの学習や夏休みの自由研究にもぴったりだと言えるだろう。

・会期 2023年7月23日(日)~11月20日(月)
・会場 角川武蔵野ミュージアム4階 エディットアンドアートギャラリー
・時間 日~木10:00~18:00/金・土 10:00~21:00 ※最終入館は閉館の30分前
・休館日 第1・3・5火曜日
・チケット価格(税込) 一般(大学生以上)1,400円、中高生1,200円、小学生1,000円、未就学児は無料
※オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入ともに同額
・TEL 0570-017-396(10:00〜17:00)
・URL https://kadcul.com/event/125

[information]
体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春
・会期 2023年7月1日(土)~11月20日(月)
・会場 角川武蔵野ミュージアム1階 グランドギャラリー
・住所 埼玉県所沢市東所沢和田3‐31‐3 ところざわサクラタウン内
・時間 日~木10:00~18:00/金・土 10:00~21:00 ※最終入館は閉館の30分前
・休館日 第1・3・5火曜日
・チケット価格(税込) 一般(大学生以上)2,400円、中高生1,800円、小学生1,000円、未就学児は無料
※オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入ともに同額
・TEL 0570-017-396(10:00〜17:00)
・URL https://kadcul.com/event/124
●休館日、開館時間が変更となる場合あり。最新情報は公式サイトで要確認。
●「1DAY パスポート」「イブニングパスポート」では本展覧会と「神秘のミステリー!文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書」が鑑賞可能。詳細は公式サイトで要確認。
●展示替えなどにより、日程によっては一部施設に入場できない場合あり。
●展示内容が変更、または中止になる場合あり。