アートイベント

Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3

会場:芸術祭展覧会/ルクア イーレ、船場エクセルビルなど大阪市内各所
アート & クリエイティブフェア/グランフロント大阪北館
会期:芸術祭展覧会/12/23(土)~12/28(木)
アート & クリエイティブフェア/12/23(土)~12/24(日)

アート×ヒト×社会の関係をStudyする芸術祭

12月23日(土)~12月28日(木)の期間、アート×ヒト×社会の関係性を検証し学ぶ「Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3」が大阪で開催される。


2022年1~2月に第1回、2023年1~2に第2回がおこなわれた「Study:大阪関西国際芸術祭」は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を契機に、ソーシャルインパクト(文化芸術経済活性化や社会課題の顕在化など)をテーマとした世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭(仮)」の開催を目指すにあたり、それらの実現可能性を検証するためのプレイベント。「アートとヒト」「アートと社会」との関係性や、アートの可能性を「Study(検証し学ぶ)」するプロセスを重ねながら、2025年本開催となる「大阪関西国際芸術祭」の価値最大化を図っていくものだ。

第3回目となる「Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3」では、街中での展開を増やし、大阪市内の多様なエリアで展覧会プログラムが展開される。また、アートやクリエイティブな作品の公式展示販売プログラム「Study:アート & クリエイティブフェア」は、クリスマス・イブに合わせて12月23日(土)〜24日(日)(プレビューは22日(金))、グランフロント大阪 コングレコンベンションセンターで開催されることになった。

過去2回のStudyをインプットすることでより進化したプログラムが展開される「Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3」は、2023年の最後を飾るにふさわしいアートイベントとなるはずだ。

以下で、今回の芸術祭の主なプログラムを紹介する。

STREET 3.0:ストリートはどこにあるのか

「Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3」メイン会場のひとつである船場エクセルビルでは、ストリートとアートの関係を再考し、危機の時代におけるストリートを模索する、複数のテーマによる展覧会『STREET 3.0:ストリートはどこにあるのか』(キュレーター:沓名くつな美和、緑川雄太郎)が開催される。
平日13:00~19:00(最終入場時間18:30)、土日祝10:00~19:00(最終入場時間18:30)

●テーマ 香水『AP』
アーティスト:会田誠 / Algorithmic Perfumery / Etat Libre d'Orange (エタ・リブレ・ド・オランジェ) / ZOOLOGIST / STORA SKUGGAN / 田村友一郎 / Disconoma (トマ・ヴォティエ + ファニー・テルノ) / トモトシ / NEANDERTAL / MOCAF / BYNAM / 長谷川愛 / FISHKOM / II / YAP
キュレーター:緑川雄太郎
アート香水の最先端である「Art Perfumery(アートパフューマリー)」を紹介する展覧会。アートパフューマリーはそれぞれ特殊な空間をつくっている。「アート」、「香水」、「ストリート」という、一見遠い組み合わせが出会う場所、そして、多様なアートパフューマリーの世界にアクセスするための道の名前が『AP』だ。


●テーマ グラフィティ『GRAFFITI IN OSAKA』

アーティスト:VERYONE、®寫眞
キュレーター:沓名美和
大阪には東京や他の都市とは異なるグラフィティの文化がある。ここでは「GRAFFITI IN OSAKA」というテーマのもと、長年、大阪のグラフィティシーンを観察し続けてきたVERYONEと®寫眞によるアーカイブ資料と作品が展示される。

PHOTO: VERYONE Nagano 2023


●テーマ USB『Dead Drops』

アーティスト:Aram Bartholl(アラン・バーソル)
キュレーター:緑川雄太郎
アラン・バーソルはデジタルワールドに関心を寄せ続けている。それは、「ソーシャルネットワークやオンラインプラットフォーム、そしてデジタル情報の普及戦略とつながるメディアや公共経済とわたしたちの関わりを問うこと」だ。今回は、STREET 3.0において『Dead Drops』(2010-)がSTREET 2.0として展示される。

●テーマ 地図『Google Maps Hacks』
アーティスト:Simon Weckert(サイモン・ウェッカート)
キュレーター:緑川雄太郎
サイモン・ウェッカートはデジタルワールドに関心を寄せている。それは、「現在の社会的観点が反映される電子工学やコードに関するあらゆるもの」。今回はSTREET 3.0においてSTREET 2.0として『Google Maps Hacks』(2020)が展示される。

●テーマ アルゴリズム
アーティスト:AQV-EIKKKM
キュレーター:沓名美和、緑川雄太郎
今回が初展示となるAQV-EIKKKMは、データとアートの関係を考察し、アートの価値を問うアーティストである。アートの価値決定におけるキャピタリズムやデモクラシー、コンティンジェンシーの役割を読み解くインスタレーションを発表予定。独自開発アルゴリズムが、アーティストたちの相関関係に内在する評価を紐解き、可視化する。データを通じてアートワールドはどう見えるのだろうか。

その他、STREET3.0関連展としていくつかの展示がおこなわれる。その一つで、ICHION CONTEMPORARY B2(大阪府大阪市北区野崎町9-10)で「道を外した書」をテーマに開催される展覧会(キュレーター:沓名美和)では、既存の書の領域を超え、具体美術と同時代の重要なアートとして国際的に認知されている井上有一と、彼に続きさらなる挑戦的な表現を模索する4名の現代書家が取り上げられる。視覚表現として進化を続ける書道、その「道」がどこへ向かっているのかを探るものだ。

ハシグチリンタロウ《MIMESIS(内から外へ)》 画像

ハシグチリンタロウ《MIMESIS(内から外へ)》 2017.7.13 墨/和紙 260.0×160.0cm

ここでは詳しく紹介できなかったブラインド『Blind Sensing』や関連展『Archive of Street』、連係企画『淀壁』(会場:十三駅周辺)にもぜひ注目してほしい。

Study:アート&クリエイティブフェア

「Study:アート&クリエイティブフェア」は、アート作品の公式展示販売プログラム。現代美術史家でキュレーターの沓名美和がチーフ・フェアプログラム・ディレクターを務める。
国内外のギャラリーやクリエイティブ企業、団体が独自の企画を発信するブースや、沓名美和によるキュレーターブースなどに加え、幅広い分野の第一線で活躍する登壇者を迎えるトーク・カンファレンスをなどが実施され、ジャンルを横断した創造性と出会う場となるだろう。

今年2月に開催されたアートフェアの様子

今年2月に開催されたアートフェアの様子  Photo by Kohei Matsumura


●沓名美和による「キュレーターブース」
アーティスト:下村悠天/宏美&藤城嘘/山口真人/MAKERSSPACE/FUKI COMMITTEE/仲衿香/松田ハル/COOK/YOSHI47/石塚大介/岡本光博/佐川好弘/谷敷謙 (2023年12月11日現在)
アートが時代とともにあり方を変え、社会問題やテクノロジー、ファッションや工芸、ポップカルチャーなどさまざまな分野と混ざり合うことで可能性を広げている。このアートフェアはその点に注目し、ジャンルの垣根を超えた創造性と出会える場を目指すものだ。
そんなアートフェアの象徴的なプログラムが、チーフ・フェアプログラム・ディレクターの沓名美和によるキュレーターブースである。「STREET3.0」というテーマのもとにアーティストを選定。芸術祭における同テーマの展覧会開催によってアートフェアと芸術祭が連携することで、アーティストや作品の見え方がよりダイナミックになりそうだ

沓名美和写真

沓名美和


●Talk Program
会場内ではアートに加え、デザイン、ファッション、地域、ビジネスなど幅広い分野の一線で活躍する登壇者を迎えてトーク・カンファレンスがおこなわれる。大きな注目を浴びた前回のトークプログラムは、立ち見客で溢れかえるほどだあった。
なお、プログラムの詳細については随時更新されるため、公式サイトで最新の情報をチェックしていただきたい。

前回のアートフェアでのトークプログラムの様子

前回のアートフェアでのトークプログラムの様子 Photo by Kohei Matsumura


「Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3」ではこれまで紹介したもの以外にも、文化庁主催のビジネスコンテスト「StARTs UPs」など多彩なプログラムが実施される。
その中で特に注目したいのが、大阪大学中之島センター(大阪市北区中之島4丁目3-53)で開催される「コズミック・エネルギー:宇宙の起源」。この展覧会では、国際宇宙ステーション(ISS)の外部に設置され、数カ月間宇宙を航行したアーティスト野村康生の作品『ほしの姿観』が展示される。2023年3月、ISSに送られた『ほしの姿観』は、きぼう実験棟外部の曝露施設へと取り付けられ、数ヶ月間、放射線や強い紫外線が飛び交う宇宙空間に晒された後に、再び地球へと戻ってきた。いわば “宇宙を経験した” 史上初のアートピース。野村は、この “宇宙を経験した” 作品を含む火水土風宙の5要素のプレート作品を五輪の塔に見立てた作品に挑む。また、アーティストであり京都大学教授の土佐尚子、NY&シカゴを拠点とするニューメディア・アーティスト シュランパーも野村と共に、物理学、仏教思想、数理学などさまざまな視点から考察した作品を提示する。

[information]
Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3
芸術祭全体会期 2023年12月23日(土)~12月28日(木)
公式サイト https://www.osaka-kansai.art/

■芸術祭展覧会
会期 2023年12月23日(土)~12月28日(木)
会場 ルクア イーレ、船場エクセルビル、中之島エリア、西成エリア、など大阪市内各所(随時公開中)
URL https://www.osaka-kansai.art/exhibiton

■アート&クリエイティブフェア
プレビュー 2023年12月22日(金)13:00〜19:00 ※VIP、招待者、プレス関係者のみ
一般公開 12月23日(土)11:00〜19:00、12月24日(日)11:00〜16:00 ※両日、最終入場は閉館30分前
会場 グランフロント大阪 北館地下2階ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
住所 大阪市北区大深町3-1
出展ギャラリー・団体 ARTDYNE、calif ART GALLERY、中和ギャラリー CHUWA Gallery、Feb gallery Tokyo、GomeisaGALLERY、ICHION CONTEMPORARY、Joseon Antique(韓国)、MIHO,NISHIBE、MJK Gallery、msalman gallery(インドネシア)、モノノアハレヲ、ノートギャラリー、PLAS(韓国)、PRESTIGE APPAREL、芝田町画廊、SMARTHOLDER、翠波画廊、STYLE Africa、T2 GALLERY、TIAC THE INTERNATIONAL ART COLLECTION、THE blank GALLERY、メガネスーパー/NPO法人 TrueColors、gallery UG、山木美術(アルファベット順 2023年12月11日現在)
URL https://www.osaka-kansai.art/artfair

■クリエイティブビジネスコンテスト『StARTs UPs(スターツアップス)』
ファイナリスト・ピッチ 12月23日(土)(午後予定)
会場 グランフロント大阪 北館地下2階ナレッジキャピタル
URL https://www.osaka-kansai.art/exhibiton/startsups

■チケット
当日券/一般3,000円、学生2,000円(要学生証提示)
前売券/一般2,500円、学生1,500円(要学生証提示)
※中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
※共通パス1枚で会期中、全会場(展覧会、アート&クリエイティブフェア)に何度でも入場可
※前売券の販売は2023年12月22日(金)まで
販売窓口 チケットぴあ、e+(イープラス)、ローソンチケット、KKday、ArtSticker
チケット販売ページ https://www.osaka-kansai.art/tickets

■主催
株式会社アートローグ、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

■創設者・総合プロデューサー
鈴木大輔

Study:大阪関西国際芸術祭 vol.3 は「令和5年度⽇本博2.0事業(委託型)」です。

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