アートを学ぶ

若き才能を育む
公益財団法人クマ財団

 

クリエイター奨学金採択者決定!

公益財団法人クマ財団が運営する、「クリエイター奨学金」。その6期生となる奨学生55名が、6月17日に発表された。
クリエイター奨学金とは、25歳以下で自らがコンテンツを制作している学生全てが対象となる、クマ財団独自の奨学金制度のこと。美術作品を制作している大学・大学院生に限定される奨学制度は一般的だが、本財団では、ジャンルを超えて広く「クリエイター」を募集していることが特徴的である。

今期決定した彼らも、多様な領域から選抜されており、今後1年にわたり、財団からのサポートを受け活動・発表をしていく。

 

そもそも、クマ財団とは?

クマ財団は、株式会社コロプラ代表取締役の馬場功淳氏が設立したもの。自らもモバイルゲームを開発し起業したクリエイターである馬場氏。2016年、自身の経験を基に若手クリエイターの支援事業を開始した。

当初はクリエイター奨学金を主軸に支援をおこなっていたクマ財団。しかし2021年度からは、新たに「活動支援金事業」もスタートさせた。これはクリエイター奨学金の卒業生を対象にした事業で、より長期的な支援を目的としている。
さらに、本財団は資金援助だけではなく、学生それぞれに合わせたレベルアップの機会を創出するための取り組みもおこなっている。
それが、奨学生を対象にした「KUMA Camp」「KUMA EXHIBITION」である。
資金提供以外に、なぜ、このような取り組みをスタートさせたのだろうか。

創造性が共鳴し合う、世の中に

その理由は、クマ財団が掲げるビジョンにある。文中の、“創造性”とは、単にかたちを作り上げることだけを指すのではなく、未来への“原動力”と取るべきだろう。なぜなら、豊かな創造性が社会に対して投げかけられた時、人は新たな世界を切り開くからだ。
しかし、個人の力だけでは何かを創造することはできない。アイディアを、他者や社会と“共有すること”、さらには“共有しやすい環境づくり”が必要なのではないだろうか。そのような意味において、創造性とは、社会一丸となって育てていくべきものと言える。
クマ財団は、「世界のいたるところで、クリエイティブの力が今後ますます求められるはずだ」と考えている。彼らの支援事業は、クリエイターのみならず創造性を育くむ社会づくりをも促すものなのではないだろうか。

──クリエイター同士が繋がる場の提供

場所づくりの一環としてクマ財団が取り組んでいるのが、
「INPUT/学び、OUTPUT/創作活動、OUTCOME/成果発表」
というクリエイティブサイクル。
このサイクルの中の「INPUT」として実施されているのが、合宿形式のカリキュラム、「KUMA Camp」だ。
普段出会うことの少ない他分野のクリエイターが何を考え、何をつくろうとしているのか、互いへの理解を深めることができる。
また、奨学生同士でのディスカッションなどをおこなうため、思索する力と言語化する力が養われる。学生クリエイターにとっては、またとない成長の機会であろう。

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──社会と繋がる場の提供

「OUTCOME」の場は、先に述べた「KUMA EXHIBITION」である。これは、成果発表という機会のみならず、クリエイターと社会の架け橋になることを目指し、開かれているものだ。一般的に展覧会とは、限られたジャンルの作品が展示されるものだが、ここでは現代アート、先端テクノロジー、エンターテイメントのほか、ジャンルの枠を超えた次なるクリエイティブシーンを一望することができる。パブリックな場で様々な作品が並び、普段は交流しない人々が交流するという空間を創造したと言える。
この展覧会は、未来を担う若手クリエイターの「ショーケース」として、新しい才能とその可能性を社会に発信する、「未来を創る展覧会」なのだ。

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人の持つ無限の創造性を支援したい

 

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自身もクリエイターである馬場代表理事。提供する幅広い支援を「クリエイターにとって必要不可欠なものとして用意する環境」であると説明する。
馬場氏が実感したリアルな視線が、クマ財団の徹底したカリキュラムの提供につながっているのだ。

“気概に満ちたクリエイターのみなさまがクマ財団を活用していただくことで、創造性が共鳴しあう世の中の実現が近づくことを願ってやみません。” 

と、可能性を秘めた若きクリエイターたちにメッセージを寄せる馬場氏。今後もクマ財団の画期的な取り組みに注目していきたい。

[information]
クマ財団
・URL https://kuma-foundation.org

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クマ財団ギャラリー
・住所 東京都港区六本木7-21-24 THE MODULE roppongi内
・時間 平日11:00~19:00、土日及び祝日10:00~18:00
・休廊日 火曜日
・MAIL contact@kuma-foundation.org
・URL https://kuma-foundation.org/gallery/